恋は魔術師

恋は魔術師 

EL AMOR BRUJO

わたしは、おまえを焼きつくす炎
わたしはおまえの吐息をのせる風
     「愛の戯れの踊り」より

1987年1月24日-1987年2月20日

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作品概要

★「血の婚礼」「カルメン」に続くスペイン・ミュージカル最高傑作!
本作は、カルロス・サウラとアントニオ・ガデスのコンビによる、待望の最新作。世界のダンス映画シーンに一大センセーションを巻きおこし、日本でも記録的大ヒットとなった「カルメン」、そしてその前駆的作品の「血の婚礼」のスペイン・ミュージカルは、ここにひとつの頂点を迎えた。
今やスペイン映画界の第一人者であるサウラ監督は、前二作で舞台と舞台裏の二つの世界にカメラを入れ、虚と実が交錯した独自の世界を造りあげた。
本作「恋は魔術師」は、オールセットの徹底した虚構の中で、切なく哀しい恋の情念の世界が繰り広げられる。カルメロとカンデーラ、ホセとルシアといった登場人物たちの運命的な“四角関係”が、激情の歌、踊りとなって劇的なクライマックスになだれ込む。
この情熱的でパワフルな構成は三部作の最後を飾るにふさわしく、まさに“スペインの魂”を堪能できる作品になっている。

★魅惑のA・ガデスをはじめ、当代随一のフラメンコダンサー達の夢の競演!
本国スペインではもちろん、フラメンコの第一人者として世界中の熱いし視線を浴びているアントニオ・ガデス。その彼自身が振付けをし、主演しているのが、この「恋は魔術師」である。“サウラ監督との三度にわたる協力で、ジプシー文化のテーマを、少しずつ深めてきた”と語る彼は、一途な恋に苦悩するカルメロを熱演。その他、舞台版「カルメン」の来日公演で我々を魅了したガデスの最高のパートナー、クリスティーナ・オヨスがカンデーラ、映画の前二作同様ガデスの敵役を演じるファン・アントニオ・ヒメネスがホセ、そして「カルメン」で衝撃的なデビューを飾ったラウラ・デル・ソルがルシア、とおなじみの名手達が顔を揃えて、“恋の四角関係”を情熱的に演じ踊っている。

★情熱と官能の<火祭りの踊り>全篇に流れる“スペインの魂”
この映画のもうひとつの大きな魅力は、音楽にある。もともと「恋は魔術師」は、スペインを代表する作曲家マヌエル・デ・ファリャが、アンダルシアのシプシー伝説をもとに、これもまた有名な舞踏家パストーラ・インペリオのためにかいたベレエ曲。シンプルでありながら、恋の情念が見事に様式化された、古典的で名作である。中でも、映画のクライマックスシーンで使われる<火祭りの踊り>は特に有名で、焚火を囲んで繰り広げられる踊りは、あやしい魅力に満ちている。
しかし、バレエ曲「恋は魔術師」演奏時間25分程度の小品のため、サウラとガデスはこの映画のために、ポップス調の<褐色の砂糖>を含め、計11曲のフラメンコを採り入れた。アンダルシア気質を歌いあげる、スペイン屈指の人気歌手ロシオ・フラドの歌をも交えたこれらの曲は、一大シンフォニーを成していると言えよう。

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スタッフ・キャスト

製作:エミリアーノ・ピエドラ
監督:カルロス・サウラ
脚本+振付:カルロス・サウラ/アントニオ・ガデス
撮影:テオ・エスカミーリャ
音楽:マヌエル・デ・ファリャ
オーケストラ指揮:ヘスス・ロペス・コボス
オーケストラ:スペイン国立管弦楽団
主題歌:ロシオ・フラド

キャスト:アントニオ・ガデス/クリスティーナ・オヨス/ラウル・デル・ソル/ファン・アントニオ・ヒメネス/エンマ・ペネーリャ/ラ・ポラカ

1985年/スペイン/カラー/104分
原語:スペイン語


配給:松竹富士株式会社

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