アリア

アリア 

ARIA

輝ける10人の監督が贈る―ときめきの《アリア》

1987年12月19日-1988年2月5日

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作品概要

オペラと映画がドッキング!
10人の監督による華麗なるオムニバスの世界!!

オペラと映画の全く新しいドッキング!
かつてないタイプの映画である上に、ロバート・アルトマン、ジャン=リュック・ゴダール、ニコラス・ローグ、ケン・ラッセルらの巨匠、デレク・ジャーマン、ジュリアン・テンプルといった今注目の新鋭たち、計10人の監督を勢揃いさせた華麗なるオムニバス。それが、この「アリア」である。
プロヂューサーのドン・ボイドはまず10人の監督たちを選んだ。その10人とは、知名度に関わらず独自の観点と映像を持った監督、というのが条件であった。次に彼は、10人のそれぞれに霊感を受けるオペラのアリアを選び、好きなように映像化するように言い、おおまかなシナリオの提出を求めた。例えばゴダールが提出したのは5行で書かれたシノプシスであった。ケン・ラッセルは詳細を記した長い手紙と6ページの撮影シナリオであった。こうして選ばれた10人の監督たちに、某度は同じ製作費と自由裁量を与えた。
次に彼はカルーソから現代に至るまでのぶ厚いオペラのレコード・カタログを手に一人一人の監督と打ち合わせをしたが、使われるアリアの版権をクリアーするだけでも、一大プロジェクトであったという。
結果として、10人が選んだアリアは、本来の意味のアリア(独唱)に加えて、デュエットのもの、ソロとコーラスが一緒のもの、オーケストラのつくもの、とさまざま。また、フランスのバロック・オペラから、5つのイタリア・オペラ、ドイツ・オペラ、2つの20世紀創作のオペラ、と幅広い範囲を占めることになった。
彼らが「アリア」のために選んだテーマとアイデアは、一貫してそれぞれの個性と主張の延長線上にあり、出来あがった作品はそれらが美しく磨き抜かれたものばかりである。ひとつとして、これまでの彼らの作風から外れたものはない。映画の中で、我々は自身の問題、今日の世界の問題のこだまを見つける。例えば、1、2、8話にはテロリズムや日々の生活での脅威がある。又その他にも、子供時代のこと、愛について、思い出やノスタルジーについて、人生の責任について・・・、さまざまな形の人生がここにはある。何故なら、オペラは人生そのものであるから。だからこそ、音楽は今日も生き続けるのである。
実は、ドン・ボイドが最初に白羽の矢をたてたのは、フェリーにであった。彼はこの企画にいたく乗り気であったが、撮影中の映画の進行状態が「アリア」の製作予定と折り合わず、やむなく断念したのであった。ウッディ・アレン、デヴィッド・バーンも一時は候補に上がっていたが、結局実現しなかった。しかし、アレンについては、おもしろい趣向でこの映画に登場している。
キャストは狂言回しとも言える道化師役にジョン・ハートが出演している他、テレサ・ラッセル、アニタ・モリス、ビバリー・ダンジェロ、ティルダ・スウィントンなど。
音楽はヴェルディ、ワーグナー、プッチーニ、レオンカヴァルロなどが作曲したアリアを、レオンタイン・プライス、カルロ・ベルゴンツィ、アンナ・モッフォ、エンリコ・カルーソなどのエンターテイナーが歌っている。
撮影は1986年7月末、アルトマンから始められ、1人3週間のスケジュールで計8ヶ月がかけられた。
本作は、1987年カンヌ映画祭でエンディング上映作品となっている。

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スタッフ・キャスト

製作:ドン・ボイド
監督:ロバート・アルトマン/ブルース・ベレスフォード/ビル・ブライドン/ジャン=リュック・ゴダール/デレク・ジャーマン
/フランク・ロッダム/ニコラス・ローグ/ケン・ラッセル/チャールズ・スターリッジ/ジュリアン・テンプル


キャスト:テレサ・ラッセル/ジョン・ハート/バック・ヘンリー/アニタ・モリス/エリザベス・ハーレイ/ジュリー・ハガティ/ティルダ・スウィントン/ビバリー・ダンジェロ/ブリジット・フォンダ/ニコラ・スワイン

1987年/イギリス/カラー/96分/ドルビーステレオ

配給:松竹富士株式会社

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