シエスタ
SIESTA
私が存在のは<午睡>の中だけ・・・
1988年12月17日-1989年1月13日
<愛と性>そして<死>・・・
それらはいつもミステリアスで、そして、美しい!
私は誰かを殺したのか、それとも殺されたのか━。不思議な映像で始まるこの映画の舞台はスペイン。ひとりの美しいヒロインが、自分の記憶の糸をたどっていくうち、幻想的な現実と、ショッキングな過去につきあたる。
独立記念日に、夫の企画した、デス・バレーの火口へ飛びおりる、<死の空中ダイビング>を、数日後にひかえて愛する男を追ってアメリカからスペインに来たこと・・・すでに結婚していた彼への変わらぬ愛・・・つかの間の灼けつくような情事・・・そこに現れた妻・・・光るナイフ・・・。鮮血にまみれたドレスを着て倒れていた彼女が、断片的にとり戻していく記憶と、現実に起こっている奇妙な出来事。殺されたのは私なのか・・・それでは、今、ここにいる私は・・・。
シエスタ━それはスペイン語で午睡のことだが、この映画はまさに白日夢のような神秘的に、ミステリアスな愛の世界へ私たちを運んでくれる。
マイルスの魂をこめたスパニッシュ・サウンドがさらにドラマを熱くする!
ジャス界の巨星マイルス・デイヴィスのファンたちにとっても、この映画は大きな衝撃を与えることになるだろう。27年前にリリースした「スケッチ・オブ・スペイン」を思い出させるようなマイルスのトランペットが、時に激しく、時にけだるく、全編を包み込んでいるからだ。
マイルスが映画音楽を手がけたのは、『死刑台のエレベーター』『ジャック・ジョンソン』に続いて三作目。すでに発表された同名のLP「SIESTA」は、早くも世界から熱い注目を浴びている。
この映画の成功は、マイルスが音楽を担当したことで半ば決定づけられたともいえるが、それはまた、監督メリー・ランバートの手腕でもある。彼女はマドンナの「ライク・ア・バージン」などのビデオをも手がけたミュージック・ビデオ界の第一人者。この作品は彼女にとっても映画デビュー作であるが、音楽と映像の結合という意味でも、その秀でた才能が生み出したものは大きい。
超一流の音楽、豪華キャスト、そして舞台はスペイン━
最高の条件をすべて揃えてあなたの心を魅了する。
エキゾチックなスペインと、流れるマイルス・サウンド━まさに完璧なステージが用意されたわけだが、そこに登場するのが、映画界でも特にその演技力を高く評価されている名優たち。
ヒロイン役のエレン・バーキンは『ダウン・バイ・ロー』で注目を浴び、先日来日したマイケル・ビーンが記者会見の席で、共演したい女優としてその名をあげたほど。その他、『ゴシック』のガブリエル・バーン、『ホテル・ニューハンプシャー』のジョディ・フォスター、『ウォール街』のマーチン・シーン、『ブルー・ベルベット』のイザベラ・ロッセリーニ、『眺めのいい部屋』のジュリアン・サンズ、『007/美しき獲物たち』のグレイス・ジョーンズなど、第一級の豪華キャストの顔合わせは、それだけでも大きな魅力といえる。
超一流の音楽、豪華キャスト、そしてスペインの街、━これだけ最高の条件が揃えば、傑作が誕生するのも当然のこと。いつの間にかあなたも、スクリーンの中にひき込まれ、ヒロインとともに超神秘の世界をさまよっているだろう━。
監督:メリー・ランバート
製作:ゲーリー・カーファースト
製作総指揮:フリオ・カロ/ザルマン・キング/ニック・パウエル
編集:グレン・A・モーガン
撮影:ブライアン・ロフタス
音楽・マーカス・ミラー
演奏:マイルス・デイヴィス
脚本:パトリシア・ルイジアナ・ナップ
原作:パトリス・チャップリン
キャスト:エレン・バーキン/ガブリエル・バーン/ジュリアン・サンズ/イザベラ・ロッセリーニ/マーチン・シーン/ジョディ・フォスター
1987年/アメリカ/スタンダード/97分/カラー
原語:英語
配給:松竹富士株式会社