ハンドフル・オブ・ダスト
A HANDFUL OF DUST
熱き想いは、幻しか・・・
1989年7月1日-1989年7月28日
『モーリス』で脚光を浴び、スターとなった二人の美少年、
ジェームス・ウィルビーとルパート・グレイブスがさらに成長した姿をみせてくれる。
ジェームス・ウィルビーは、『モーリス』のモーリス役で’87年度ベニス映画祭で最優秀男優賞を受賞して、俳優としての名を世界に知らしめた。その彼の最新作『ハンドフル・オブ・ダスト』では、大邸宅に住む温和で献身的な夫で、一人息子を持つ、心優しき父親トニーを演じている。
『モーリス』の共演者であったルパード・グレイブスはジェームス・ウィルビーとは正反対の、金はないが、野心だけはある都会の青年ビーバーを演じている。そしてその二人の男の間を揺れ動く不思議な美女に、『プリンス/アンダー・ザ・チェリームーン』でプリンスの相手役であったクリスティン・スコット・トーマスが出演している。3人のそれぞれ違う思いと生き方。3人の出会いはそれぞれ、新たな生き方に目覚めさせ、人生を変えていく・・・。
1930年代のイギリス、広大な田園地帯に屋敷を持つ上流階級のラスト家を中心に
2人の男と1人の女が綾なす、愛と失意の行方。
1932年のイギリス━ それは、トニー・ラストの様な上流階級に属する人々にとって、満ち足りた人生を約束された世界だった。田園地帯にそびえるヴィクトリア・スタイルの大邸宅、そこに住むラスト夫妻は、この世の幸せのほとんどを手中にしているかのようだった。
ある日、トニーは、社交界に出入りする若い男ビーバーに出会った。ふとしたことからビーバーを、自分の屋敷に招待した。野心だけは、人一倍強い怠け者で無一文のビーバーにとって、思いもかけぬチャンスであった。
しかし、彼の訪問が、やがて、自分と妻が築き上げてきた平和の結婚生活を、破綻へと導くことになるとは、知るはずもなかった・・・。3人は、それぞれに身をこがす思いを体験し、そして苦い失意を味わうことになるのだった。それはまるで<ハンドフル・オブ・ダスト>手からこぼれ落ちていく一握りの砂のように・・・。
この文芸作品に、共演者としてアレック・ギネス、そしてアンジェリカ・ヒューストンが出演。
『スターウォーズ』のオビワン・ケノービ役で有名なアレック・ギネスは、主人公のトニーが、人跡未踏の南アフリカのジャングルの奥地で出会う老人役で出演している。奸知にたけた文盲のこの人物にトニーは、ジャングルで恐ろしい体験をさせられる。
故ジョン・ヒューストン監督の娘で、『男と女の名誉』でアカデミー賞助演女優賞を受賞しているアンジェリカ・ヒューストンは、屋敷に招かれる客として出演している。人生を冷静に見つめることが出来るキャリア・ウーマン。彼女の生き方によってトニーは、力づけられる。
監督脚本は、ロバート・アルトマン、ケン・ラッセル、ジャン・リュック・ゴダール、ニコラス・ローグ等が監督した『アリア』の監督の一人、新進気鋭のチャールズ・スタリッジ。音楽は『ガンジー』『遠い夜明け』のジョージ・フェントンが担当した。
製作総指揮:ジェフリー・テイラー/ケント・ウォーウィン
製作:デレック・グレンジャー
共同製作:デヴィット・ウィンビュリー
監督:チャールズ・スタリッジ
脚本:ティム・サリバン/デレック・グレンジャー/チャールズ・スタリッジ
撮影:ピーター・ハナン
音楽:ジョージ・フェントン
原作:イヴリン・ウォー
キャスト:ジェームズ・ウィルビー/クリスティン・スコット・トーマス/ルパート・グレイブス/ジュディ・デンチ/アンジェリカ・ヒューストン/アレック・ギネス/ビーティー・エドニー
1988年/119分/イギリス/カラー
原語:英語
配給:チャンネル・フィルム・ディストリビューターズ株式会社