ロザリー・ゴーズ・ショッピング

ロザリー・ゴーズ・ショッピング 

Rosalie Goes Shopping

1990年3月3日-1990年4月6日

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作品概要

<解説>
『シュガー・ベイビー』(’84)に続く『バグダッド・カフェ』(’87)で一躍、日本でもその名を知られるようになったパーシー・アドロン監督。そのアドロンの最新作が『ロザリー・ゴーズ・ショッピング』だ。
主演は『バグダット・カフェ』でも主人公のドイツ人女性ジャスミンを演じたマリアンネ・ゼーゲブレヒト。一度見たら忘れられない体型をしたマリアンネだけれど、彼女のほっそりした足の上のふくよかな身体には、とても魅力的な優しさがある。『シュガー・ベイビー』『バグダッド・カフェ』とアドロン監督との映画はこれで3本目のマリアンネは、今や国際的に活躍する数少ないドイツ映画俳優のひとりでもあるのだ。
前作で、心暖まる現代のお伽話とでもいうべき物語を観せてくれたアドロン=ゼーゲブレヒトのふたりが今回とりくんだのは、物、もの、モノにあふれた現代社会で、クレジットカード、小切手、現金にふりまわされながらも愛する家族のために元気いっぱい頑張る、ひとりの女性=ロザリーおばさんの話。痛烈な社会批判でありながら、あくまで語り口は柔らかいのも、このふたりの映画の特徴だ。
共演は、ロザリーの夫レイに『ミッドナイト。エクスプレス』(’78)の主役で強烈な印象を残したブラッド・デイビス。さらに『ビバリーヒルズ・コップ』(’84/’87)でおなじみのジャッジ・ラインホールドが、ロザリーのよく相談相手の神父として登場。
音楽は『バグダッド・カフェ』の主題歌「コーリング・ユー」でアカデミー賞にノミネートされたボブ・テルソン。

<物語>
アメリカはアーカンサス州スタットガートに住むロザリーはドイツのバイエルン出身。彼女にはドイツに駐留していた米軍パイロットと結婚し、はるばるアメリカのスタッドガード(ドイツ語読みでシュトゥットガルト)へやってきた。
広大な米畑の真中に家を構え、7人の子どもに恵まれ、軍用機ではなく農薬散布の飛行機で大空を飛びまわる夫レイを今でも「リーブリンク(わたしのいい子ちゃん)」と呼びたまに故郷を懐かしく思い出すことはあってもロザリーは毎日を幸せに暮らしている。
飛行機のこと、空を飛ぶことにしか頭にないレイは、妻ロザリーのやりくり上手が自慢だ。けれど、ロザリーのやりくりにはレイの知らない秘密があった。
37枚のクレジットカード、小切手を駆使した違法すれすれの手管のあれこれ。「カードを失くした」と会社に連絡しては、使用停止寸前にありったけの現金を引き出す。小切手帳にサインを真似てするのはお手のもの。スーパーで万引きしてきた小物も、買物帰りにいつも寄る教会で懺悔して、晴れて彼女の所有物。夕食後の一家団欒はテレビをかこんで次から次へと流れる広告を見ながら新製品の品定め大会。車、時計、パソコン、誘惑にはきりがない。いくらやりくり上手のロザリーでも、家族の欲しいものすべてを手に入れるには膨大な金が必要だ。
カード、小切手のトリックも通用しなくなり、しだいにロザリーの心の支えは家族への愛情と、教会での懺悔、妻として母親として、彼女なりの責任を果たすためロザリーは考える。1000ドル借金があるなら、100万ドルだって同じこと。やがて、大枚はたいて娘に買い与えたパソコンの操作方法を習い覚えたロザリーは、銀行や娘の務める地元の大会社のコンピューターに侵入することに成功するのだが・・・。

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スタッフ・キャスト

監督+製作+脚本:パーシー・アドロン
製作+脚本:エレオノール・アドロン
共同脚本:クリストファー・ドハーティー
音楽:ボブ・テルソン
主題歌「バック・トゥ・ロザリー」:ジム・ローダーデイル

キャスト:マリアンネ・ゼーゲブレヒト/ブラッド・デイビス/ジャッジ・ラインホールド/エリカ・ブランベルガー/ウィリー・ハーランダー

1989年/西ドイツ/93分
原語:英語
字幕:細川直子

配給:KUZUIエンタープライズ

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