ボイジャー
VOYGER
美しい過去からの風が過ぎてゆく・・・。
1991年11月2日-1991年12月20日
大人の男と20歳の女の運命的な出逢い・・・。
この秋、全女性に贈るインテリジェンスLove!
男と女の運命的な出逢い・・・ それは、その瞬間はそれとはわからない。ウォルター・フェイバーと、エリザベス・パイパーもそうだった。男は50歳になる国際的エンジニア。女を魅きつけずにおかない、鋭い知性と洗練された物腰。人生の酸いも甘いもかみわけながら、でもどこかで夢を追い求めている少年のような眼差し。そして女は、20歳になったばかりの学生。まぶしいほどの若さと美しさに加え、何者も恐れない大胆さと繊細さをかねそなえている。親子ほども年の違うふたりが出逢ったのは、パリ行きの船の中だった。男は娘のような女に翻弄される快感に酔い、女はせいいっぱい背伸びした大人気分の快感に身をまかせた。が、好奇心が恋に、そして真実の愛に変わった時、男はおそるべき事実を知る。人はつねに、運命の波に身をまかせる航海者(ボイジャー)なのか? 男の過去、現在、未来が一本の赤い糸につながれた時、二人の愛はさらなる悲劇の幕開けになっていく・・・。
サム・シェパード=ジュリー・デルピー=フォルカー・シュレンドルフ━
最高の顔合わせで実現したアート感覚のエグゼクティブ・ムービー!
つねに、原作に忠実でありながらも見応えのある映画として小説を映像化できる、現代有数の監督であり、ドイツ映画として初めてアカデミー賞を獲得した『ブリキの太鼓』で有名なフォルカー・シュレンドルフの待望の新作がこの『ボイジャー』だ。これは、スイスの作家、マックス・フリッシュの小説「ホモ・フェイバー(アテネに死す)」を原作に、シュレンドルフが30年間映画化をあたためてきた念願のプロジェクトだ。
主人公のフェイバーを演じるのは、ピューリッツア賞を獲得した超一流の劇作家でありながら、『ライト・スタッフ』等で俳優としても高い評価を受けているサム・シェパード。全編アルマーニのスーツを肌のごとく着こなしながら、人生を切り開いてきた自信あふれる男のダンディズムと、愛を知った時の少年のようなイノセンスをみごとに融合した魅力的なフェイバー像を作り上げた。また、サベス役に5歳で舞台デビューしたキャリアの持ち主で、ゴダールの『ゴダールの探偵』やレオス・カラックスの『汚れた血』、イオナのCMでもおなじみの20歳のフランスの新星ジュリー・デルピーが扮し、鮮烈な愛に生きるヒロインを熱演。加えて、『ローザ・ルクセンブルグ』でカンヌ国際映画祭最優秀女優賞を獲得したドイツ女優バーバラ・スコヴァ、『侍女の物語』『クラス・オブ・1999』で日本でもアイドルとなったトレーシー・リンと、これ以上の適役はないという素晴らしいキャスティングが実現した。
ヴェネズエラ~メキシコ~ニューヨーク~パリ~ローマ~ギリシャ━
『霧の中の風景』のY・アルヴァニティスが綴る話題の映像美!
撮影は、1990年2月からフェイバーの世界旅行を描くため、ニューヨーク、ロサンゼルス、メキシコ、フランス、ギリシャ、イタリアと世界各地で行われ、特にパリからイタリアへのふたりの“愛の旅”には、リーブル美術館等の名所旧跡がたくさん登場する。また、飛行機、豪華客船、車と、陸に海に空に多岐に渡る壮大なシーンのロケが行われた。撮影監督は、『旅芸人の記録』や『霧の中の風景』のヨルゴス・アルヴァニティス。哀愁あふれるカメラワークがふたりのあまりにも悲しい愛の行方を美しくとらえている。
監督:フォルカー・シュレンドルフ
共同脚本:ルディ・ワーリッツァー
撮影(欧州):ヨルゴス・アルヴァニティス
撮影(米国):ピエール・ロム
音楽:スタンリー・マイアーズ
主題歌:ウテ・レンパー
原作:マックス・フリッシュ
キャスト:サム・シェパード/ジュリー・デルピー/バーバラ・スコヴァ/トレイシー・リン
1991年/アメリカ・ドイツ・フランス・ギリシャ合作/118分/ドルビーステレオ/ヴィスタ
原語:英語
字幕:菊地浩司
協賛:イオナ インターナショナル
配給:ウエスト・ケープ・コーポレーション