エドワードⅡ
EDWARD Ⅱ
コロス:世界がこれほど嫌がっている者をなぜ寵愛なさるのか?
エドワード:全世界を併せたよりも、彼が私を愛してくれるからだ。
1992年10月31日-1992年12月11日
『カラヴァッジオ』『テンペスト』といった本格的作品、『ジュビリー』『ラスト・オブ・イングランド』『ザ・ガーデン』といった実験的な作品、そして<ザ・スミス><ペット・ショップ・ボーイズ>らのミュージック・クリップを監督してきたデレク・ジャーマンが、これまでの全てのスタイルを混在させ、シェイクスピアと同時代の劇作家クリストファー・マーロウの戯曲を原作に、現代への痛烈なメッセージを込めて作り上げたのが最新作『エドワードⅡ(セカンド)』です。
【物語】
イングランド王に即位したエドワードⅡ世(スティーブン・ウォーディントン)。彼が寵愛したのは妻イザベラ(ティルダ・スウィントン)ではなく、青年ガヴェストン(アンドリュー・ティアナン)。そしてその若き王をイザベラと結託して王位から蹴落とそうとする貴族モーティマー(ナイジェル・テリー)。二人の策略によってエドワードとガヴェストンは王室を追放されるのだった。
◆想像を絶するエレガントなヴィジュアルと、セクシャルな政治メッセージが
イギリスの映像作家デレク・ジャーマンの作品の中に常に危険性を孕んで織り込まれている。 (NEW YORK TIMES)
◆マーロウがもしこの作品を見たら、墓の中でおちおち眠っていられないだろう。
確信を捕らえた完璧に美しい『カラヴァッジオ』以来の正統派ドラマである。 (GUARDIAN)
◆美術は期待通りの素晴らしさ。演技も最高。ジャーマンは彼の目的のために原作をハイジャックした。・・・
かっちりした三つ揃いの貴族と、ポール・スミスを着た恋人たちのコントラストが面白い。 (i-D)
◆大胆で激しく、残酷なまでに美しい。しばらくはこの作品が最高のイギリス映画になるだろう。 (THE TIMES)
◆ゲイの無神論者、酒場のケンカにより29才でこの世を去ったクリストファー・マーロウは、
16世紀のシド・ヴィシャスだ。 (NEW MUSICAL EXPRESS)
◆ゲイに対する偏見をエドワードの悲惨な失脚の陰に示すことにより、ジャーマンは『エドワードⅡ』を単にヴィジュアルで
圧倒する以上のものにしている。これは心からの痛切な身に沁みるような叫びなのだ。 (ROLLING STONE)
監督:デレク・ジャーマン
撮影:イアン・ウィルソン
美術:クリストファー・ホッブス
衣装:サンディ・パウエル
音楽:サイモン・フィッシャー・ターナー
キャスト:スティーブン・ウォーディントン/アンドリュー・ティアナン/ティルダ・スウィントン/ナイジェル・テリー/ジェローム・フリン/アニー・レノックス
1991年/イギリス・日本/90分/ヴィスタ/35mm
原語:英語
配給:アップリンク