ハイヒール

ハイヒール 

HIGHHEELS

あなたがつらい時は私を想って
泣きたい時は私を想って

1992年12月12日-1993年2月26日

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作品概要

スペインの鬼才、アルモドバル監督最新作
『神経衰弱ぎりぎりの女たち』で日本初登場、『バチ当たり修道院の最期』『アタメ』と新作が公開されるたびに、世界中のメトロポリタンをときめかせるスペイン映画の鬼才、ペドロ・アルモドバル。奇抜な設定、一癖も二癖もある愛すべきヒロインたち、キュートな色彩感覚、ポップな映像、ハートを熱くさせるストーリー。その魅力で故ブニュエルを継ぐスペイン・ニューウェイヴの帝王とも言われ、アンディ・ウォーホールが夜ごと開くプライベート・パーティがかつてニューヨークのポップ・カルチャーをリードしたように、彼の周りには90年代のアーティストが集まりいつも刺激的。マドンナ、キム・ベイシンガーなど、彼の仕事にプロポーズするスターはかぞえきれないほど。いまや時代の最先端を突っ走っている、

ハイヒールに憧れたふたりの女
1989年、マドリッド空港。
純白のシャネルスーツにハイヒールでキメた若い女性が落ち着かぬ様子で人を待っていた。
レベーカ、27歳。一世を風靡したポップ・シンガーの母、ベッキーと15年ぶりの再会だ。ベッキーは、娘を捨て、恋と歌を選んだ。母恋しさに、いつしかレベーカはベッキーの真似をするようになった。ついに、母の昔の愛人、マニュエルを愛し、結婚してしまうほどに・・・。
男に愛されたい母と、その母に愛されたい娘。愛をめぐる女の熱い戦いの結末は・・・。
アルモドバルは、愛情を独り占めしようと躍起になるヒロイン&ヒーローたちの悲喜劇をコミカルに描いてきた。しかし、今回のヒロインの愛の対象は“母親”。恋人と違って生まれる前から定められた宿命的な絆は、大人になってからの愛し方、愛され方を決定していまう。その葛藤をシリアスに見据えたこの作品は“アルモドバルの新境地”として絶賛を博している。

ハイヒールは現代女性の象徴

タイトルとなった“ハイヒール”は、女性が社会で成功をおさめていくための武器、才能や美しさの象徴。それは憧れの的だが、自分で履きこなせる様になると知らず知らず人の心を傷つけてしまう凶器でもあるのかもしれない。
現代の女性の心理を、ハイヒールという小道具で鋭く表現したアルモドバルは語る。
「僕は情熱的な人間関係を描きたかった。そして、自分がだれかを愛している、と相手に伝えるのがいかに難しいかを・・・」
この映画は、男と女というセクシャリティを超えて、人の心に、深く語りかける自己発見のドラマなのだ。

世界のサカモトがサントラを担当!
アルモドバル監督自身がポップ・バンドを結成していただけあって、音楽のセンスは抜群! 今回はテーマ・ミュージックを坂本龍一に依頼した。あの『戦場のメリークリスマス』からはや10年、『ラストエンペラー』でのオスカー受賞で活躍の場を世界に広げ、バルセロナ・オリンピックでのテーマ曲を手がけたことは記憶に新しい。
哀愁にみちたメイン・テーマは今年2月のジャパン・ツアーで披露され、早くもサントラ盤が評判を呼んでいる。そしてルス・スカルの歌うカンツォーネ「別離~わかれ」のドラマチックなメロディは、新鮮に、深く心に刻み込まれることだろう。日本でも弘田三枝子のリカヴァーが決まっている。

ドレスは女のもうひとつの顔 シャネル、アルマーニ、シビラ
オードリー・ヘップバーンとジバンシィなど、映画とファッション・デザイナーのコラボレーションは数知れないが、『ハイヒール』でアルモドバルはドレスにキャラクターを与えてしまった。母に追いつこうと背伸びする娘はシャネルに身を包み、一流の女であり続ける母はファッション界の新たな伝統となったアルマーニを着こなし、チャンスを積極的にいかす野心家の愛人は、スペインの新進デザイナー、シビラで遊び心を見せる。
鮮やかな原色がぶつかりあう『ハイヒール』では、ファッションはファッションを超え、それを纏うヒロインの人生を象徴するドラマとなったのだ。
ヒロインのレベーカには『アタメ』で好演したビクトリア・アブリル、母親をマリサ・ペレデス、判事ドミンゲスを、80年代にアイドル・スターとして日本でもアルバムをリリースしているミゲル・ボセが演じている。

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スタッフ・キャスト

監督+脚本:ペドロ・アルモドバル
撮影:アルフレド・マヨ
音楽:坂本龍一
テーマ曲:ルス・カサル
ビクトリア・アブリルの衣装:シャネル
マリサ・パレデスの衣装:ジョルジオ・アルマーニ
ミリアム・ディアス・アロカの衣装:シビラ
製作:アグスティン・アルモドバル

キャスト:ビクトリア・アブリル/マリサ・パレデス/ミゲル・ボセ/ペドロ・ディエス・デル・コラル/フェオドール・アトキン
/ミリアム・ディアス・アロカ

1991年/スペイン/カラー/ビスタ/115分/ドルビーステレオ
原語:スペイン語
字幕:菊地浩司
字幕監修:野谷文昭

配給:ヘラルド・エース/日本ヘラルド映画

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