バスケットボール・ダイアリーズ
The Basketball Diaries
I JUST WANT TO BE PURE.
「純粋になりたい」
1996年1月20日-1996年4月4日
木の枝が光をこわし
地面に優雅な光と影の模様を作っている
その模様の中で子供たちがビー玉遊びをしている
純粋になりたい ―ジム・キャロル
堕ちていく姿さえ美しい。
ディカプリオの待望の初主演作がいよいよ登場!
鮮烈な美しさを身につけてディカプリオが帰ってきた。『ボーイズ・ライフ』『ギルバート・グレイプ』(アカデミー賞ノミネート)の天才的な演技で私たちを魅了したレオナルド・ディカプリオ。彼の待望の初主演作が『バスケットボール・ダイアリーズ』だ。今までの印象を覆すハードで衝撃的な役柄に挑戦。“純粋になりたい”という渇望と、麻薬という禁断の誘惑に引き裂かれ、青春を突き進んでいくことしかできないティーンエイジャーの微妙な心理を見事に表現している。少年の面影を残しながらも、時折かいま見せる新たな大人の魅力に思わず息をのむ。身を落とした姿さえ、鳥肌が立つほど美しい。
リバー・フェニックスの夢をついに実現
原作「マンハッタン少年日記」は、60年代後半に登場したビートニク新世代の旗手ジム・キャロルの自伝的小説。ビート・ジェネレーションの先人ジャック・ケルアックやウィリアム・バロウズからも絶賛された青春小説の傑作である。1978年の出版以来(日本では1983年出版)、数多くの映画人が映画化を切望していた。監督候補にはジョン・カサヴェテス、主役候補にはエリック・ストルツ、マット・ディロンの名前も挙がり、一時はジムを演じることが故リヴァー・フェニックスの夢とまで言われていた。出版より20年近くを経た今、彼らの果たし得なかった夢をディカプリオが実現した。
凶暴で繊細なマンハッタン、破滅への道を突き進む少年たち
ミッション・スクールに通うジム、ミッキー、ペドロ、ニュートロンはクラスの問題児。制服を着くずし、シンナーを吸い、ちょっとした盗みを働いて虚勢を張っても、バスケットボールに夢中の他愛のない“不良少年”に過ぎなかった。しかし、ストリートの誘惑が、次第に彼らを引き返せない道へ踏み出させていく。好奇心から始めたドラッグが習慣となり、ジムとミッキーは退学。母親にも愛想をつかされ、家を追い出されたジムはかつてバカにしていたホームレスになっていく。いざこざからドラッグの売人を殺してしまったミッキーが捕まり、その場から逃げ出したジムは母親に救いを求めに行く…。
輝く光の中から一瞬にして暗闇へと転落する危険性をはらんだ少年たちの青春像が鮮烈に浮かび上がる。堕ちていくジムにとって日々の出来事に対する感情を日記に書き綴ることだけが救いとなった。そうして転落の底から這い上がった一人の少年の物語が私たちの胸を熱くする。
ジムのチームメイトには人気ラッパー、マーキー・マークことマーク・ウォルバーグ(『勇気あるもの』)、ジェームズ・マディオ(『靴をなくした天使』)。信心深い母親役にはロレイン・ブラッコ(『グッド・フェローズ』)、ジムに色目を使うチームの監督にブルーノ・カービー(『シティ・スリッカーズ』)、ジムを救い出す重要なレジー役にアーニー・ハドソン(『クロウ/飛翔伝説』)。『ギルバート・グレイプ』でディカプリオと共演したジュリエット・ルイスがドラッグ中毒の売春婦として脇を固める。そして原作者ジム・キャロル本人がジャンキー役で登場しているのも話題のひとつ。
監督はこれが長編映画デビューとなるスコット・カルヴァート。今までミュージッククリップやTVの音楽プログラムの制作を数多く手掛けてきた。本作でもジム・キャロルとパール・ジャム、ドアーズ、サウンドガーデンらの音楽に乗せ、躍動感に満ちた映像を見事に描き出している。
監督:スコット・カルヴァート
製作:リズ・ヘラー
製作総指揮:ダン・ジェネッティ
撮影:デイビッド・フィリップス
プロダクション・デザイン:クリストファー・ノウォク
キャスト:マーク・ウォールバーグ/ブルーノ・カービー/ロレイン・ブラッコ/アーニー・ハドソン/ジュリエット・ルイス
1995年/アメリカ/カラー/102分/ヴィスタ/ドルビーステレオSR
字幕:松浦美奈
提供:アスミック/テレビ東京
宣伝協力:FATHERSCI
配給:アスミック