アンダーグラウンド
UNDERGROUND
今世紀最大の衝撃
1996年4月20日-1996年6月28日
★1995年カンヌ国際映画祭パルムドール大賞受賞
世代を超えてすべての反逆児におくる永遠の聖書
(鬼才クストリッツァ最高傑作!世紀末の狂騒曲)
サラエボ生まれ、映画界のパンク・スター鬼才エミール・クストリッツァの最高傑作がついに誕生した。祖国旧ユーゴスラヴィアの50年に渡る悲劇の歴史を、政治的で攻撃的な映像と音楽、スキャンダラスなストーリーで綴るケタはずれの映像叙事詩。祖国を失った哀しみ、怒り、裏切りの連続… それを越え、彼は見るものを巻き込み、新しく生まれ変わるべく破壊的な狂騒曲を奏でる。
その並みはずれたアナーキーなエネルギーは賛否両論、大論争を巻き起こし、95年12月クストリッツァは、仏リベラシオン紙に、ついに映画製作をやめるショッキングな宣言を放つ。
31才にして『パパは出張中!』でカンヌ映画祭パルムドール大賞を、35才で『ジプシーのとき』でカンヌ映画祭審査員特別賞、38才『アリゾナ・ドリーム』ではベルリン映画祭銀熊賞に輝き、その才能は世界中が認めざるを得ない。しかし天才の反逆は、反感を招く。彼は全精神をこの「最後の作品」に込めた。クストリッツァ伝説は新たなエネルギーを生み出していくだろう。
(ナチ占領下セルビア 地下に潜るレジスタンスたち だまされ続け…50年が過ぎる)
1941年、戦禍のベオグラードを逃れ、地下に潜伏する人々がいた。武器商人マルコにだまされ、「レジスタンス」の名のもとに武器を作り続ける。戦争が終わっても、この誇り高き労働は終わらなかった。ナチが去り、チトーの共産主義の時代を迎えても、マルコは裏切り続けた。この戦争には終わりがない、と。
そして50年後の1991年、アンダーグラウンドの住人が地上へ出た時、ようやく「祖国ユーゴスラヴィアが失われていた」屈辱的な真実を知る。ジプシーの楽隊のメロディは空に舞う、人々は踊り続ける…哀しみを、そして自らを笑い飛ばすがごとく。
(アンチ・モラル・ストーリー)
“アンダーグラウンド”の人々は歴史に身を委ねている。その心地よい浮遊感に漂っていると、いつしか笑いは凍りつく。クストリッツァは、平和への祈りを込め、祖国にあふれる、希望、ユーモア、生きる喜こび、悪夢を自らの荒唐無稽な夢に織り込んだ。
愚かで、哀しい、人間の真実を笑い飛ばし、くるくる価値観の変わる今世紀にアンチ・テーゼを突きつける。『アンダーグラウンド』はまさに20世紀のダークサイドを描く、心を揺り動かされる衝撃だ。
(クストリッツァ魔術をささえるスタッフたち)
複数の言語、どこまでも続く広大な地下迷路、破壊的パワーを放つジプシー音楽…クストリッツァのカーニバルをささえるクリエイティブなスタッフが再結集した。巨匠アルメンドロスから大絶賛される撮影のヴィルコ・フィラチ、『デリカテッセン』でセザール賞など総なめした美術のミリェン・クリャコヴィチ“クレカ”、『アリゾナ・ドリーム』『王妃マルゴ』とヒットを飛ばす音楽のゴラン・ブレゴヴィチ。
監督:エミール・クストリッツァ
製作:カール・ボームガートナー
ピエール・スペングラー
原案:デュシュン・コヴァチェヴィチ
脚本:デュシュン・コヴァチェヴィチ/エミール・クストリッツァ
音楽:ゴラン・ブレゴヴィチ
キャスト:ミキ・マイロノヴィチ/ラザル・リストフスキー/ミリャナ・ヤコヴィチ/スラヴゴ・スティマチ/エルンスト・ストッツナー/スルジャン・トドロヴィッチ
1995年/フランス・ドイツ・ハンガリー/セルビア語/カラー/ヴィスタ/171分/ドルビーSRD
サントラ盤:マーキュリー・ミュージックエンタテイメント
提供:エース・ピクチャーズ/アスク講談社
配給:エース・ピクチャーズ