CINEMA RISE

1996年11月9日-1997年3月7日

★1996年第49回カンヌ国際映画祭最優秀監督賞

ノース・ダコタ州ファーゴ
初めは無邪気な偽装誘拐だった・・・
アメリカの田舎町で起こった本当の話

カンヌ国際映画祭監督賞受賞の話題作！
デビュー作『ブラッドシンプル』以来、全作品が話題となり、高い評価を得ている“映像の魔術師”ジョエルとイーサンのコーエン兄弟。インパクトの強いユニークな映像で観客を魅了してきた彼らが、『未来は今』の次に発表したのが『ファーゴ』。96年2月全米で限定公開スタート、館数を増やして興収ベスト10にランク・イン。5月のカンヌ国際映画祭でも世界の映画人から高い評価を受けて最優秀監督賞を受賞。『ファーゴ』は一般ファン、批評家、プロの映画人をこぞって魅了するコーエン兄弟の最高傑作だ。

果たして、偽装誘拐の結末はどうなるのか？
自動車セールスマンのジェリーは妻と息子と幸せに暮らしているが、裏では多額の借金を負って破綻しそうな局面を迎えている。そこで妻を偽装誘拐して自動車業界の大物である妻の父から身代金をだまし取るという、とんでもない解決方法を考えた。その実行を“変な顔”のカールと不気味なゲアの前科者二人組に依頼する。手際よく偽装誘拐など出来そうにない彼らは、警官と目撃者を撃ち殺して殺人事件に発展させてしまう。捜査に当たるのは妊娠中の女性警察署長マージ。丹念に追及する彼女はジェリーに照準を合わせていく。

実際に起こった犯罪事件を映画化
『ファーゴ』は1987年に実際に起きた犯罪事件から材を採っている。舞台はアメリカ中北部に位置し、北欧系、ドイツ系の移住者が多いノース・ダコタ州、ミネソタ州で、地方独特の言い回しやイントネーションが妙におかしい。登場人物は、ジェリーによって象徴される欲にかられた姑息な人間と、マージのように人生を楽しく暮らす人間の二種類に分かれる。ほんの出来心で始まった偽装誘拐は、ボタンを掛け違えたまま、雪だるま式に収拾がつかない大事件に発展していく。こっけいでおかしく、情けなくて哀しい人間たち。犯罪事件を描いていながら、逆説的な“人間賛歌”が観客を不思議にハートフルな鑑賞後感に誘う。

作品本位の素晴らしいキャスト、スタッフ
警察署長マージには監督ジョエルの妻であり、『ミシシッピー・バーニング』でアカデミー賞候補となったフランシス・マクドーマンド。“変な顔”の誘拐犯カールにはコーエン組の常連で『デスペラード』のスティーヴ・ブシェーミ。ジェリーには『陽のあたる教室』のウィリアム・H・メイシー。もう一人の誘拐犯に『ダメージ』のピーター・ストーメア。義父には『ベンチャー・ワゴン』以来25年ぶりにスクリーン復帰、貫録と狡猾さを見事に表現したハーヴ・プレスネル。オリジナル脚本は今までの作品と同様にコーエン兄弟が共同で書き下ろし、製作をイーサン、監督をジョエルが担当。『ショーシャンクの空に』、『デッドマン・ウォーキング』のロジャー・ディーキンズが最高潮の撮影を披露。プロダクション・デザインは『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』でヴィジュアル・コンサルタントを務めたリック・ハインリクス。音楽は3本のコーエン兄弟作品を担当したカーター・バーウェルが、スカンジナビア民謡を絶妙にフィーチャーして作品のムードを醸成している。

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“完璧な配役、脚本、撮影、監督、これ以上のものが望めるだろうか？いや無理。
すべてのシーンが唯一無二の出来。情景には衝撃を覚えずにはいられない。”
〈ブランドン・ジュデル／クリティックス・チョイス〉

“アメリカの最も先鋭的な監督がまたもやクラシックになる作品を創りあげた。
『ファーゴ』は本年度ベスト1の位置に早くも着いている！”
〈カイル・オズボーン／WDCA-TV〉

“コーエン兄弟は印象的なセリフと地域性の強いキャラクターを描くのにかけては
ほかの脚本家たちの数段上をいく。コーエン兄弟は今までで最高の作品を完成させた”
〈トッド・マッカーシー／プレミア誌〉

“フランシス・マクドーマンドはアカデミー賞ノミネートは確実。今まで見た最高の映画の1本。
『ファーゴ』のような作品があるから映画好きはやめられない！”
〈ロジャー・エバート／シカゴ・サン・タイムズ紙〉

監督+脚本：ジョエル・コーエン
製作+脚本：イーサン・コーエン
撮影：ロジャー・ディーキンズ
プロダクション・デザイン：リック・ハインリスク
衣装：メアリ・ゾフレス
音楽：カーター・バーウェル
編集：ロデリック・ジェインズ
製作総指揮：ティム・ビーヴァン／エリック・フェルナー

キャスト：フランシス・マクドーマンド／スティーブ・ブシェーミ／ウィリアム・H・メイシー／ピーター・ストーメア／ハーヴ・プレスネル

1996年／アメリカ／カラー／ヴィスタ／ドルビーステレオSR／98分
字幕：戸田奈津子

提供：アスミック／シネセゾン／テレビ東京
配給：アスミック／シネセゾン