ブエノスアイレス
happy together
どこまでいく?
地の果てまで
1997年9月27日-1998年3月26日
★1997年 第50回カンヌ国際映画祭 最優秀監督賞受賞
『天使の涙』『恋する惑星』のウォン・カーウァイが
時空を超えてたどり着いた、至福と絶望と再生の絶対温度!!
◇新しい“愛の映画”の誕生に世界が沸いた
『天使の涙』『恋する惑星』で全世界に旋風を巻き起こしたウォン・カーウァイ監督が、南米アルゼンチンを舞台に描く愛の最新作『ブエノスアイレス』。50周年を迎えてひときわ華やかに開催されたカンヌ国際映画祭に公式出品され、世界中の映画人やプレス関係者が見守る中、開場を埋め尽くした観客を圧倒的に魅了、スタンディング・オベーションが5分以上も続くという異常事態を引き起こした。そして“最も愛され、最も熱狂を集めた”映画として最優秀監督賞を受賞。ウォン・カーウァイの新しいステージが幕を上げた。
◇壮大な南米の風景の中でいとおしく、切なく、恋人たちの鼓動が響く
轟音を上げて流れ落ちるイグアスの滝、どこまでも続く一本のフリーウェイ、南米の氷河を見渡し“地の果て”の灯台─。激しく愛し合いながら、荒れ野を突っ切るハイウェイで突然の別離を迎える恋人たち。その傷みを振り切るように仕事に熱中する男の元に、傷ついた恋人が帰ってくる。閉ざされていた心が通う瞬間、柔らかな光が至福の時を包む。しかしやがて二人を襲う癒しがたい渇き。愛するほどに傷つき、傷つくほどに求め合う魂の彷徨の中で、男はひとりの青年に出会い、再生への道を歩き始める。
◇最も魅惑的なふたりの俳優が目眩く輝きを放つ
この宿命的ともいえる恋人たちを演じたのは、『恋する惑星』のトニー・レオンと『さらば、わが愛 覇王別姫』のレスリー・チョン。なみいる香港の俳優の中で、着実に国際スターとしてのキャリアを積み重ねてきた二人が、文字どおり地球の裏側で見せる化学反応、その一瞬の目眩く輝きを、ウォン・カーウァイはあますところなくフィルムに定着させた。限りない包容力で恋人を包みながら、独占したい欲望に抗いきれない男、トニー・レオン。その深い、憂いを帯びた眼差しは、ほとばしる情熱の炎と漆黒の闇を映し出す。一方トニーにとっての“ファム・ファタール”を演じるのがレスリー・チョン。愛だけを呼吸して生きるこの男のしなやかな肉体には、鋭い刃物のような感性と子供のような無垢な魂が潜んでいる。映画を見終わった誰もが、この二人のたまならくいとおしい表情を記憶の中で何度抱きしめることだろう。
◇官能と哀惜に満ちたピアソラのタンゴの旋律
ウォン・カーウァイの映画において、最大のサプライズは音楽だ。今回『ブエノスアイレス』では北南米を代表する3人のアーティストの音楽が全編を彩る。冒頭、飛沫を上げる大滝のシーンで流れるカエターノ・ベローゾの美しいボーカル。恋人たちの別離と再会に寄り添うように奏でられる、官能と哀惜に満ちたアストル・ピアソラのタンゴ。そしてロック界のカリスマ、フランク・ザッパの魂を揺さぶるギター。天才たちの音楽が、映画の感情のうねりを体現する!
監督+脚本+製作:ウォン・カーウァイ
製作総指揮:チャン・イーチェン
アソシエイト・プロデューサー:篠原弘子/T.J.チョン/クリストフ・ツァン
製作主任:ジャッキー・パン
撮影:クリストファー・ドイル
美術:ウィリアム・チョン
編集:ウィリアム・チョン/ウォン・ミンラム
音楽:ダニー・チョン
キャスト:トニー・レオン/レスリー・チョン/チャン・チェン
1997年/香港/98分/ドルビー・ステレオ/ヴィスタ/カラー(パートモノクロ)
字幕:岡田壮平
提供:プレノンアッシュ/テレビ東京
配給:プレノンアッシュ