ラブetc.
Love etc.
こんな日が、永遠に続けばいいと思っていた・・・
1998年2月14日-1998年3月20日
新聞の恋人募集欄[ラブetc...]から始まった恋・・・
パリの日常を舞台にリアルに描かれた恋人たちの息遣い
選択のない恋愛を求めた女と、彼女を選んだ二人の男・・・
微妙なバランスを保ちながら続く3人の恋の行方は?
マリーは絵の修理家。自分の欲しいものに対して積極的になれない25歳。アパートの階下の男とずるずる不倫関係を続けている。「私は何をしているの。惰性で情事を続けるなんて。私は、別れるのがヘタで、関係を長引かせる・・・」ある日、彼女は思い立って新聞の恋人募集欄[ラブetc...]に広告を出す。「こんにちわ、658番さん。恋人求むの記事を見てお返事しました。僕は条件にピッタリです・・・」返事を寄せてきたのは銀行マンのブノア。2人が当然のように恋人同士となり、結婚を決意するまで時間はかからなかった。しかしブノアの親友ピエールがマリーに恋してしまったことから自体は一変する。不器用なやさしさでマリーを包もうとするブノア、「愛している」の言葉と感情を思うままマリーにぶつけるピエール、誰にも一度も「愛している」と言わないマリー。選択のない恋愛を求めるマリーの恋は、2人の男に“選ばれる”ことから始まった─。
シャルロット・ゲンズブール、等身大の魅力がいっぱい
主題歌「ラブetc..」もヒット中!
主演は故セルジュ・ゲンズブールとジェーン・バーキンの愛娘、シャルロット・ゲンズブール。『なまいきシャルロット』から11年・・・26歳になった彼女の等身大の魅力があふれている。共演は『愛を止めないで』で共演して以来のパートナーで現在同棲中のイヴァン・アタル。6月に愛息ベンが生まれたばかりの2人が、実生活を彷彿とさせる設定の中でどのようにカップルを演じるのか非常に興味深い。また久々にシャルロット自身が歌う主題歌「ラブetc..」もヒット中。ミュージックシーンでも注目を集めている。
シャルロットをめぐり、役を交換・・・
絶妙のキャラクターを生み出した、ステキなハプニング
シャルロットをめぐる2人の男。夫・ブノアはイヴァン・アタルが、夫の友人・ピエールは『リディキュール』のシャルル・ベルリングが演じている。しかし、当初予定されていたキャスティングはアタルがピエール役でベルリングがブノア役だった。2人は、ヒロイン・マリー役にシャルロットが決定した時点で、アタルを夫役に変更しようと決めたのだ。この珍しいハプニングにより、リアリティ溢れる絶妙のキャラクターが誕生した。
女性監督マリオン・ヴェルヌーの感性・・・
アップテンポで駆け抜けるリアルタイムのパリ
監督マリオン・ヴェルヌーは『誰も私を愛さない』で鮮烈なデビューを飾り2作目となる本作の成功で一躍注目を浴びている30歳。それぞれの登場人物に均等に思い入れがあるといいながらも、「優柔不断なところが似ている」とマリーに自分自身を投影する素顔もうかがえる。実際にパリで生活している彼女ならではの感性で、インテリアやロケーション、ふとした会話に、リアルタイムのパリを見事に切り取っている。
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フランスで圧倒的な支持を得ているジュリアン・バーンズの原作
本作の原作であるジュリアン・バーンズの「ここだけの話」はフランスで絶大なる人気を誇っているベストセラー小説で、イギリス人として初めてフェミナ賞も受賞している。原題は「Talking it over」だが、フランスでは「ラブetc..」のタイトルがつけられた。登場人物3人3様の科白、心の声で構成され、話が進むにつれ登場人物が素のままになっていくスリリングなストーリー。この原作に誘発されたマリオン・ヴェルヌー監督は「男女の永遠の謎」である「愛」を解き明かすために、小説の持つテイストを余すところなく映像として
表現した。
監督:マリオン・ヴェルヌー
原作:ジュリアン・バーンズ
脚色・台詞:ドディーヌ・エリー/マリオン・ヴェルヌー
音楽:アレグザンドル・デズプラ
撮影:エリック・ゴティエ
製作総指揮:フランソワ・ガルフレ
原作:「ここだけの話」ジュリアン・バーンズ(白水社)
キャスト:シャルロット・ゲンズブール/イヴァン・アタル/シャルル・ベルリング
1996年/フランス/100分/ドルビー/シネマスコープ
字幕:古田由紀子
配給:クロックワークス