ワンダフルライフ
AFTER LIFE
あなたの人生の中から大切な思い出をひとつだけ選んで下さい。
1999年4月17日-1999年7月9日
人は亡くなってから天国にいくまでの7日間で『映画』を
撮ります。自分の思い出をフィルムに焼き付けるために
天国まであと7日・・・
月曜日。霧に包まれた古い建物に人々が吸い込まれていく。全部で22人。彼らは面接室に案内され、職員からこう告げられる。「あなたは昨日お亡くなりになりました。あなたの人生の中から大切な思い出をひとつだけ選んで下さい。いつを選びますか?」死者たちは天国にいくまでの7日間を、この施設で過ごすことになっている。死者たちが選んだ思い出は職員たちの手で撮影され、最終日には上映会が開かれるという。
火曜日。職員の望月、川嶋、杉江、しおりたちは死者から思い出を聞き出し、撮影の準備を進める。それが彼らのこの施設での仕事だ。生き別れになっていた恋人と再会した瞬間を選ぶ76歳の女性。子供の頃の夏休みの前日を選ぶ56歳の男性。女性体験ばかり話し続ける男性。友達とディズニーランドへ行ったことを話す少女。太平洋戦争中のフィリピンのジャングルを選ぶ85歳の元軍人。選ぼうとしない青年・・・etc。人それぞれにかけがいのない大切な思い出がある。
水曜日。望月が担当する死者のひとり渡辺は70歳。なかなか思い出を選べずに困っている。「どうせなら・・・生きた証がわかるような出来事を選びたい」と自分の人生が録画された71本のビデオテープを見る渡辺。しかし、次々と映し出される自分の平凡な姿に幻滅するばかり。そんな時、渡辺の新婚生活の映像に眼を奪われる望月。その表情をしおりは見逃さなかった。この夜を境に、望月、しおり、渡辺、それぞれの感情は大きく揺れ始めるのだった・・・。
職員たちとカメラマン、美術スタッフが、死者の思い出を再現するための会議を開く木曜日。
スタジオに組まれたセットの中で思い出が撮影されていく金曜日。
そして土曜日、職員たちの演奏に見送られ、死者たちは思い出の再現映画を見届け、天国へと旅立っていく。
監督+脚本+編集:是枝裕和
撮影:山崎裕
照明:佐藤譲
録音:滝沢修
美術:磯見俊裕/郡司英雄
音楽:笠松泰洋
スチール・撮影(再現):鋤田正義
照明(再現):中村茂樹
ポストプロダクション・スーパーバイザー:掛須秀一
音響効果:柴崎憲治
スタイリスト:山本康一郎
広告美術:葛西薫
プロデューサー:佐藤志保/秋枝正幸
企画:安田国裕
ゼネラルプロデューサー:重延浩
出演:ARATA/小田エリカ/寺島進/内藤剛志/谷啓/由利徹/横山あきお/原ひさ子/白川和子/山口美也子/伊勢谷友介/吉野紗香
1998年/日本/カラー/ヨーロッパビスタ/118分
原語:日本語
製作:テレビマンユニオン/エンジンフィルム
製作協力:イマジカ
宣伝:ザナドゥー
配給:テレビマンユニオン/エンジンフィルム