ヴァージン・スーサイズ
the Virgin Suicides
ヘビトンボの季節に逝ってしまった5人姉妹。僕たちは残された思い出の破片をかき集める。
2000年4月22日-2000年9月8日
映画監督ソフィア・コッポラの鮮烈なデビュー!
●“彼女たちはもう大人で、僕たちはただ騒がしいだけのガキだった・・・。”
ヘビトンボが、美しい郊外の街を覆いつくす6月。リスボン家の美しい5人姉妹の末娘セシリアが聖母マリアの写真を胸に抱きながら、剃刀で腕を切った。何とか一命を取りとめた彼女に医師が「まだ人生の辛さを知る年にもなっていないのに」と諭すと、彼女は「でも先生は13歳の女の子になったことはないでしょ。」という意味深な言葉を残す。
近隣の少年達がこの美しい5人姉妹に抱いていた興味の強さをはっきりと自覚したのは、この自殺未遂がきっかけだった。姉妹は、セシリア13歳、ラックス14歳、ボニー15歳、メアリー16歳、テレーズ17歳。珍しい年子の5人姉妹は、ふくよかな唇と美しいブロンドの髪を持つ、驚くほど似た少女たちだった。数日後、自宅で開かれたパーティーの最中に再びセシリアは窓から身を投じる。彼女の死後、少年達はそれまで以上に姉妹に神秘的な憧れを感じ始めるが、奔放な四女ラックスが引き起こした事件を機に、セシリアの死で過敏になっていたリスボン夫人によって姉妹は自宅で軟禁状態に陥る。少年達はそんな彼女達をなんとか救い出そうと試みるのだったが・・・。
●“ソフィア・コッポラの世界”─そのガーリーな美意識
70年代アメリカの郊外の街を舞台に、美しい5人姉妹に魅了された少年達は彼女達の思い出やエピソードをあれこれ取り出して自殺の真相を探ろうとする。彼女達の部屋のインテリアや小物、十字架にかかるピンクのブラジャー、好きな少年の名をマジックで書いた小さなパンティといったディテールはも勿論のことオープニングのタイトルバックや電話やレコードを通してメッセージを伝えるやりかたなど、少年少女たちの微妙な心のゆれ動きを軽いユーモア独特なリラックス感で繊細に心優しく描き出している。
監督+脚本:ソフィア・コッポラ
プロデューサー:フランシス・フォード=コッポラ/ジュリー・コスタンゾ/ダン・ハルステッド/クリス・ハンレイ
撮影:エドワード・ラックマン
衣装デザイン:ナンシー・スタイナー
音楽:AIR
キャスト:ジェームズ・ウッズ/キャスリーン・ターナー/キルステン・ダンスト/ジョシュ・ハートネット/ハンナ・ハル/チェルシュ・スウェイン/A・J・クック/レスリー・ヘイマン/ダニー・デヴィート
1999年/アメリカ/カラー/98分/ヴィスタサイズ/ドルビーSRD
原語:英語
字幕:松浦美奈
提供:東北新社/タキコーポレーション/テレビ東京
配給:株式会社東北新社