CINEMA RISE

2000年11月4日-2000年12月22日

「ブラッドシンプル」、それは恐怖の果ての殺人・・・。
これぞまさに映画の醍醐味！
恐怖とブラックなユーモアに彩られたコーエン・ワールド原体験

●世界第一級の映像作家として円熟の極みに達した極上のエンタテインメント
コーエン兄弟自身がかき集めた独立資本で制作され、かつて誰も試みたことのない独創的な映像によって世界中に衝撃を与えた処女作『ブラッドシンプル』。アメリカン・インディペンデントの精神はここから生まれたといえるほどの重要なこの処女作をベースに『ブラッドシンプル／ザ・スリラー』は誕生した。予算的な制約から前作はモノラルだったサウンドトラックに迫力のドルビー・デジタル5.1を使用。けっして飽きさせることのないテンポのいい編集は、コーエン兄弟のインディペンデントからエンターテインメントへの変貌を如実に表している

●よじれたユーモアと、血の凍るような恐怖に彩られた哀しいほど滑稽な殺人
ただれたような熱風が人の心をも荒涼とさせるアメリカ南部の田舎町。ある日、一軒の古びたバーの一室で殺人が起こる。殺されたのはバーの経営者マーティ。彼の妻アビーの浮気の調査を依頼した悪徳私立探偵に殺されたのだ。死体を発見したのはアビーの愛人レイ。動転したレイはアビーが夫を殺したものと勘違いし、死体を畑に埋めようとする。ところが、死んだと思っていたマーティにはまだ薇かに息があったのだ。マーティは錯乱したレイのスコップから容赦なく土くれを体いっぱいに浴びながら、生き埋めの恐怖に断末魔のうなり声をあげる・・・。
はじめは完全犯罪になるはずの殺人だった。しかし、事態は予期せぬ方向へ勝手に転がりはじめる。互いにボタンを掛け違えた人間関係の奇妙によじれたおかしさ。何が起きているのか全く知らないのに、殺人者の誤解によって死の淵へ追いつめられていくアビーの恐怖。固唾をのんで見守る、これぞまさに映画の醍醐味！！

監督：ジョエル・コーエン
製作：イーサン・コーエン
脚本：ジョエル・コーエン／イーサン・コーエン
音楽：カーター・バーウェル
制作総指揮：ダニエル・F・バカナー
アシスタント・プロデューサー：マーク・シルバーマン
助監督：デボラ・レニッチ
撮影：バリー・ソネンフェルド
プロダクションデザイン：ジェーン・ムスキー

キャスト：ジョン・ゲッツ／フランシス・マクドーマンド／ダン・ヘダヤ／M・エメット・ウォルシュ／サム・アート・ウィリアムス／デボラ・ニューマン


1999年／アメリカ／カラー／95分／アメリカンビスタ／ドルビーSRD
字幕：古田由紀子
原語：英語

宣伝：キネティック
配給：キネティック／アーティストフィルム