ジュリアン
Julien donkey-boy
全く新しい「デジタル世代の印象派」映画、誕生
2000年12月23日-2001年2月2日
21世紀の幕開けにふさわしい前衛として重い衝撃と斬新な
美意識を持ち合わせた傑作
●ストリートが生んだ若き天才映画作家、ハーモニー・コリン
映画狂のスケートボーダーとして少年時代を過ごし、弱冠19才でラリー・クラーク監督の『KIDS』の脚本を執筆、続く初監督作品『ガンモ』で映画界に“恐るべき子供”の到来を告げ、先鋭的な観客、クリエイターから熱狂的な支持とリスペクトと
同時に保守的な批評家連中からの激しい罵言雑言を同時に浴びることとなった。
そしてハーモニーの監督第二作となる『ジュリアン』は、本人がいうところの21世紀の「ニュー・シネマ」に一歩近づいたワイルドで想像力に富んだ作品であり、精神分裂病患者をこれほどの説得力をもって描写し感動を呼んだ映画は今までになかったといえる。従来の意味での脚本を使わず、小型デジタルカメラを使って撮影された本作は、個性的な登場人物たちによる日常生活の混乱と苦悩を表現し、観るものに驚嘆を与える。
●優しさに満ち溢れた眼差しが私たちの心を釘付けにする
この作品ではいわゆる説明的な描写が一切削られ、観客の解釈や思い入れによって、いくつもの表情を見せる。崩壊寸前の家族の日常を映し出す奇妙で美しい映像に身をゆだねるうちに、ジェネレーションXよりさらに後の世代が抱く痛みが突き刺さると同時に、リアリティを越えた魂の救済にまで心がひっぱられていく。ストリートに
根ざした些末な日常を題材としつつ、常にありのままの現実をストレートに且つ優しく見つめるハーモニーの視線を感じるとき、その優しさの本質が私たちの心を釘付けにする。
監督+脚本:ハーモニー・コリン
キャスティング:ビリー・ホプキンス/スザンヌ・スミス/ケリー・バーデン/
ローリー・イーストサイド
ラインプロデューサー:ジム・ツァーネック
音響効果:ブライアン・ミクシス
編集:ヴァルディス・オスカスドッチア
撮影:アンソニー・ドット・マントル
プロデューサー:ケイリー・ウッズ/スコット・マコーレー/ロビン・オハラ
キャスト:ユエン・ブレンナー/クロエ・セヴィニー/ヴェルナー・ヘルツォーク/エヴァン・ニューマン/ジョイス・コリン/クリッシー・コビラク
1999年/アメリカ/カラー/101分/スタンダードサイズ/ドルビーSR
字幕:石田泰子
原語:英語
提供:東北新社/タキコーポレーション
宣伝:東北新社
配給:東北新社