CINEMA RISE

2002年8月31日-2002年9月6日　一週間限定公開

人間の想像力の限界を拡張する21世紀でもっとも美しい映像


●世界に先駆け『クレマスター』全５作品ノンストップ劇場上映
現代アメリカでひときわ輝くアーティスト、マシュー・バーニーが自ら制作・脚本・監督する全5本のアート映画『クレマスター』。本年5月、シリーズ最終作の『クレマスター3』が完成し、9年の歳月をかけてようやく壮大な5部作の全貌が明らかになった。『クレマスター』の上映はこれまで、１都市２作品に制限されていたが、このたびのシリーズ完成を機会に、5作品すべてを一挙特別上映する1週間限定イベント『クレマスター』フィルム・サイクルの開催が許可された！日本未公開の『クレマスター2』と最新作『クレマスター3』を含む全作品を通しで観ることは、壮大な『クレマスター』に一貫して流れる美学やテーマが遂に啓示される奇跡の瞬間に世界で初めて立ちあうことである。
●『クレマスター』　睾丸を宙吊りにする筋肉、そして壮大な叙事詩
『クレマスター』シリーズのテーマは、現代から未来にかけての生物的な性から精神的な性にいたるまでの多様な人間のエロス。　5作品ともほとんど台詞がないままに、神秘的なストーリーがオリジナル・サウンドとともに展開する。全体は、様々な解釈や読み取りが可能な神話的テキストで構成されている。睾丸を宙吊りにしている筋肉を意味する「クレマスター」というタイトルが暗示するように、全作品を通して現代の生物存在の曖昧さを描き、かつ、生殖、成人儀礼、愛、死など人類永遠のテーマを追求する。『クレマスター』は、ジェームス・ジョイスの文学やワーグナーの『ニーベルングの指輪』に匹敵する現代の一大モニュメントである。
●マシュー・バーニー　アーティストの中のアーティスト
1967年サンフランシスコに生まれ、名門イェール大学のフットボール特待生として入学し、医学と美術を学ぶ。ファッション・モデルもしていたというルックスの持ち主。現代美術の世界だけでなく、映画・音楽・ファッション界のクリエーターからも絶大な支持をうける「アーティストの中のアーティストメArtistsユ Artistモ」とよばれている。私生活においては、ミュージシャンのビョークがバーニーの子供を妊娠したと公表。二人は5月1日にニューヨークのジークフェルト劇場で開かれた『クレマスター3』完成披露上映会にも一緒に現れ、今、世界で最もホットなカップルとして注目を集めている。

上映作品
●12：20～　『クレマスター1』
1995年／アメリカ／カラー／35mm ／40分／1:1.37／ドルビーSR
出演：マーティー・ドミネーション　ほか
アイダホの巨大なフットボール・スタジアムとその上に浮かぶ二つの気球を舞台としたハリウッド・ミュージカル仕立ての物語。
●13：20～　『クレマスター2』
1999年／アメリカ／カラー／35mm ／79分／1:1.66／ドルビーSR
出演：マシュー・バーニー、ノーマン・メイラー（小説家）ほか
ユタ州のロッキー山脈と氷河を舞台とする、死刑囚ゲイリー・ギルモアの物語。
●15：00～　『クレマスター3』
2002年／アメリカ／カラー／35mm ／182分／1:1.66／ SRD
出演：マシュー・バーニー、リチャード・セラ（彫刻家）、エミー・マランス（モデル、アスリート）　ほか
世界中が待ち望んだシリーズ最後の作品。1930年代のNYを中心に、巨人やゾンビ、フリーメイソンが登場。ケルト神話やミステリー、アクション、ミュージカルの要素が複雑にからみ合う。バーニーの美学、映像、彫刻、そしてパフォーマンスが一体となった超大作。
●18：35～　『クレマスター4』
1994年／アメリカ／カラー／35mm ／42分／1:1.37／ドルビーSR
出演：マシュー・バーニー　ほか
マン島を舞台に青と黄色のオートバイ・レースとサテユロス（牧神）の物語が同時展開する記念すべきシリーズ第１作。
●19：40～　『クレマスター5』
1997年／アメリカ／カラー／35mm／54分／1:1.85／ドルビーSR
出演：マシュー・バーニー（１人3役）、ウルスラ・アンドレス（『007ドクターノー』『サファリ大作戦』）
古都ブダペストの絢爛豪華なオペラハウスを中心に、マジシャンと女王の悲恋の物語が繰り広げられる。

全作品とも
脚本・監督：マシュー・バーニー
制作：バーバラ・グラッドストーン、マシュー・バーニー
撮影：ペーター・シュトリートマン
音楽：ジョナサン・ベプラー
※『クレマスター４』のみ制作：アルタンジェル、カルティエ財団、バーバラ・グラッドストーン
プロデューサー：マシュー・バーニー、ジェームズ・リングウッド





協賛：株式会社資生堂／株式会社ワコール
協力：シネマライズ
後援：アメリカ大使館
配給：主催：清水敏男事務所
企画：清水敏男＋鈴木朋幸