埋もれ木
BURIED FOREST
自分の夢と仲良くしよう
2005年6月25日-2005年8月26日
★2005年カンヌ国際映画祭 監督週間正式出品作品
『眠る男』から実に9年ー。
日本が誇る名匠小栗康平監督待望の新作
夢がなければ、思いがなければ生きていけない
本作で小栗監督がとらえようとしたのは、空想ではなく、夢、記憶、過去、未来が交じり合った心の中。映像の持つ力そのものによって、硬直しているように見える目の前の現実を、変わることの出来る「やわらかなもの」として見つめ直し、夢、思い、といった心の力をもっと信じようという希望のメッセージに溢れている。
“埋もれ木の森”、それは現実と夢が交錯するファンタジー
舞台は山に近い小さな町。高校生まちは、友だちと短い物語をつくり、それをリレーして遊ぶことを思いつく。唐突に紡がれた少女たちの物語は未来へと向かう夢。一方、町に暮らす大人たちにも過去の歩みが作り出した現実の物語がある。やがて交わらないはずの二つの物語が交差し、ファンタジックな世界が広がっていく。ある日、ゲートボール場が雨で崩れ、火山噴火によって立ち木のまま地中で生きていた、埋もれ木が姿を現す。誘われるように町中の人々が集まり、カーニバルが始まる。つややかな祭りの夜、ゆっくりと宙に舞い上がる紙灯籠とともに、全ての人の夢や思いがうつくしい輪郭をもって昇華していく。
一人ひとりがそれぞれの居場所をもった、個性的なキャスティング
主人公のまちは、14歳の夏蓮(かれん)。七千人の中からオーディションで選ばれた。深いまなざしが印象的である。ジャズミュージシャンの坂田明、元状況劇場の大久保鷹など個性派が顔をそろえ、浅野忠信が人のいい遊び人、三ちゃんを、坂本スミ子が町の頑固なおばあちゃんを演じる。そして田中裕子、岸部一徳、平田満、左時枝、中嶋朋子などが脇を固めた。「死の棘」の松坂慶子が1シーン、友情出演している。
小栗康平監督は、人間の心の深みを描くことの出来る稀有の才能だ。
心のない時代に心のある映画を、小栗さんに期待している。
―安藤忠雄(建築家)
日本映画スゲーッと、心から思いました。
本当に美しい、静かなファンタジー映画の傑作だと思います。又、何度も観ます。
-石井克人(映画監督)
比類のない監督というべき小栗君が、最新作『埋もれ木』をようやく完成させた。
脂の乗り切った、実に見事な出来栄え。いくら褒めても褒めたりないくらいだ。
-山田洋次(映画監督)
【埋もれ木】
埋没林ともいわれるもので、火山噴火などによって地層中に埋もれた樹木のこと。地中にいつも水が供給されていないと腐敗してしまうなど、いくつかの条件を満たさないと残らない。
監督:小栗康平
製作:小栗康平+山本千秋+佐藤イサク+砂岡不二夫
脚本:小栗康平+佐々木伯
プロデューサー:佐々木伯+鈴木嘉弘
撮影:寺沼範雄
美術:横尾嘉良+竹内公一
照明:豊見山明
録音:矢野正人
編集:小川信夫
出演:夏蓮/登坂紘光/浅野忠信/坂田明/大久保鷹/田中裕子/岸部一徳/平田満/坂本スミ子/左時枝/中嶋朋子
2005年/日本映画/1時間33分/ヨーロピアンヴィスタ/ドルビーSR
製作:「埋もれ木」製作委員会[(株)えいすう総研(株)さなる(株)栄光(株)ナガセ(株)ティエラコム(株)劇団ひまわり]
宣伝:ファントム・フィルム
配給:ファントム・フィルム+「埋もれ木」製作委員会