トゥルーへの手紙
A LETTER TO TRUE
親愛なるトゥルーへ、きみに手紙を書こう。
混迷するこの世界に希望を見つけながら・・・
2005年10月1日-2005年12月9日
(11月19日-12月9日 短編映画“ジェントル・ジャイアンツ”併映)
9・11のテロ以来、僕は旅先で君たちのことが心配で仕方ない。
あれ以来、世界は変わってしまった。
もしかしたら、今日がこの世で最期の日かもしれない。
だから、今、愛情をはっきりと伝えたい。
僕の愛する犬たち、そして世界中の友人たちに・・・
愛と平和の祈りに満ちた一通のプライベート・レターが今、あなたの魂に届く
2001年9月11日。いまだ記憶に生々しいあのテロ事件が起こったとき、写真家ブルース・ウェバーは旅先にいた。NYの自宅は倒壊した世界貿易センタービルのすぐ近く。残してきた数匹の犬たちは、無事でいてくれるだろうか? この恐怖の体験から、彼は一本の映画を制作した。大の愛犬家でもあるウェバーが一緒に暮らしている4匹のゴールデン・レトリバーの末っ子、“トゥルー”に宛てて手紙を書くスタイルで、9・11以降の混迷する世界に希望の光を見つける愛の映画。愛犬に宛てられた親密で優しさのこもった手紙とは、同時に観客一人一人に、そして全世界に向けられた愛と平和へのメッセージに他ならない。
DOGS FOR PEACE 僕たちは平和の使者
「なぜ人間はもっと犬みたいになれないんだろう?
僕らはケンカしても、1分くらいしか続かないし、
その後はお互いの傷をペロペロ舐めてあげるのに・・・」トゥルーより
躍動感に溢れ、映像に生命を与えてくれるウェバー家の犬たちに心を洗われるような美しい映像体験。海辺で天真爛漫に飛び回る犬たちの生活を追いながら、映像はブルース・ウェバーの世界中の友人たちや出来事に飛び火していく。南仏で恋人とコーギー犬と暮らすダーク・ボガードとの出会いや、8回の結婚など派手な私生活が目立つアカデミー賞女優エリザベス・テイラーが、実はエイズ撲滅運動など人々のために尽くす善意の人であるというエピソード。伝説的なサーファー、ハービー・フレッチャー、ベトナムで戦死した従軍写真家ラリー・バローズ、「戦争は終わる、もし、あなたが望むなら」と言葉を添えてハガキを送ってきたジョンとヨーコの想い出。時にはハイチ難民が不当に隔離されているマイアミに飛び、独裁政治やテロや戦争の悲惨さを写真で静かに訴える。全編を貫く動物に対する愛のテーマは、やがて人間の尊厳の感情へと自然に導かれていく。制作には多くの人々が協力し、マーティン・ルーサー・キングJr.の演説の使用許可を取るために、本作に賛同したモハメド・アリやクリントン元大統領が力を貸したというエピソードも残っている。21世紀の平和のビジョンと感動は静かに、しかし力強く日本に、そして全世界に広がりつつある。
アカデミー・ドキュメンタリー賞ノミネート
『レッツ・ゲット・ロスト』の映画作家、ブルース・ウェバー
80年代に写真家としてデビュー。カルバン・クラインの広告キャンペーンで、時代の空気を鋭敏に切り取ってみせた“ファッションをアートに変えた男”。写真活動と並行して映画制作を続け、天才ジャズ・トランペット奏者チェット・ベイカーの光と影を映し出した傑作ドキュメンタリー『レッツ・ゲット・ロスト』では、映画作家としても天才的な実力を証明した。テロ事件後のある日、女優のジュリー・クリスティから世界を憂う一通のハガキと、バラの花束がウェバーの元に届いたという。その美しい花びらを見ながら、彼は思う。「こんな世界にもまだ希望がある。戦争や、アメリカが抱えている問題を踏まえて、何か意味のある映画を作ろう」。『トゥルーへの手紙』の制作は、こんな美しいエピソードからスタートした。
監督・脚本:ブルース・ウェバー
製作総指揮:ナン・ブッシュ
出演:TRUEをはじめとするゴールデン・レトリバー/ダーク・ボガード/エリザベス・テイラー
/ハービー・フレッチャー
ナレーション:ジュリー・クリスティ/マリアンヌ・フェイスフル
アメリカ/2004年/カラー・B&W/78分/ヴィスタサイズ/Dolby SR/SRD
字幕:加藤リツ子
配給:キネティック
提供:キネティック+レントラックジャパン
協賛:ユナイテッド・アローズ
協力:日本盲導犬協会+アイペットクラブ
宣伝:キネティック
配給:キネティック