マシュー・バーニー「拘束のドローイング9」
Matthew Barney Drawing Restraint 9
解放と変貌のラブストーリー
2006年2月11日-2006年3月3日 3週間限定公開
2008年10月25日-2008年10月31日 1週間限定公開
真の芸術家、マシュー・バーニー
ビョークと初コラボした愛の物語
●マシュー・バーニー『拘束のドローイング9』凱旋公開!
2005年夏、金沢21世紀美術館にて開催の個展でプレミア上映され、続く「ベネチア映画祭」でも大絶賛されたマシュー・バーニーによる3年振りの新作フィルム『拘束のドローイング9』が、熱烈な要望に応えて凱旋公開されることに決定した。
イェール大学にスポーツ特待生として入学後、医学と美術に目を向け、ファッション・モデルも経験、現代ア-トの頂点に君臨する真の芸術家、マシュー・バーニー。ライフワークとする「拘束のドローイング」シリーズでは、約20年にも及び筋肉と創造性に負荷を与えて拘束と解放を表現し、たどり着いたのが本作『拘束のドローイング9』。愛娘も生まれた最愛のパートナー、ビョークとともに日本ロケを敢行し、自ら創る彫刻のドキュメントにして、情熱的でロマンティックなラブストーリーという艶美な刺激に満ち溢れ心震わせる感動的な映画を完成させた。捕鯨や茶道という日本の伝統文化をモチーフにした本作では、ビョークが生命力ある音楽で演出し、バーニー共々、捕鯨船で恋に落ちる西洋の客人を熱演。世界を熱狂させた前シリーズ『クレマスター・サイクル』をも越える驚愕の映画を見逃すな!
●解放と変貌のラブストーリー
舞台は日本。ある石油精製所で阿波踊りの隊列に先導されたタンクローリーが、伝説の捕鯨船「日新丸」の脇に停まる。タンクの液体は船上にある巨大な鋳型に流し込まれ、船が南極に向けて航行する中、“フィールド・エンブレム”(*1)の形を成してゆく。
そこへ、遙かかなた別々の地から運ばれた男女ふたりの西洋の客人が辿り着く。身を清め、毛皮の婚礼衣装をまとい、貝の柱が立つ船内の茶室に導かれた男女は、奇妙な器で茶を一服するうちに恋に落ちていく。ほのかに薫るのは、鯨から排泄される謎の物質、竜涎香(りゅうぜんこう)。古来、中国で重宝された甘美な匂りがただよう中、突然、ふたりは激しく求め出すが、部屋は次第に水没していく。鯨の解体用ナイフを手に、官能的に互いの足を切りつけあうふたりが、やがて変貌を遂げ・・・。
*1 フィールド・エンブレム
1987年「拘束のドローイング1」で初登場以来、マシュー・バーニーが頻繁に使用するシンボル。楕円の部分が身体で、中央に重なる長方形が負荷を意味する。『拘束のドローイング9』では、両者を切り離し、拘束から解放された身体を示唆
★マシュー・バーニー 現代美術界のスーパースター
1967年サンフランシスコ生まれ。イェール大学の医療予科で学び、アメフトやモデルも経験後、アーティストに転身。1987年「拘束のドローイング」開始。以後、身体にまつわる作品を発表し、1994年「クレマスター・サイクル」に着手。8年後に完成し、グッゲンハイム美術館企画の大規模な個展が世界を巡回。2005年『抱束のドローイング9』で、恋仲のビョークと初コラボを実現。美術に限らず、映画、音楽、ファッション界のクリエーターからもリスペクトされる現代のカリスマ。
脚本+監督:マシュー・バーニー
音楽:ビョーク(サウンドトラックCD/ユニバーサル ミュージック)
制作:バーバラ・グラッドストーン、マシュー・バーニー
撮影監督:ピーター・ストリートマン
出演:マシュー・バーニー/ビョーク/大島宗翠(裏千家)
2005年/アメリカ/カラー/35mm/135分/1:1.66/SRD
協力:株式会社アニエスベーサンライズ、アップリンク
配給: ワイズポリシー (feat. 鈴木朋幸)