アンリ・カルティエ=ブレッソン 瞬間の記憶
Henri Cartier-Bresson Biographie d'un regard
20世紀最大の天才写真家がー
人生の最後に“愛すべき記憶”と“決定的瞬間”の謎を初めて語った、奇跡のドキュメンタリー。
2006年5月20日-2006年8月11日ライズエックス
20世紀の証人であり、
自由を愛し、人生を愛した写真の神様。
その“決定的瞬間”とは?
●20世紀最大の写真家アンリ・カルティエ=ブレッソン(1908―2004)
2004年8月アンリ・カルティエ=ブレッソンの訃報が世界中を駆け巡った。95歳だった。彼は、ロバート・キャパらとともに、写真家集団“マグナム”を設立し、小型カメラのライカを片手に、スペイン内戦前夜やパリ解放、ガンジーの死など歴史的瞬間を撮った報道写真の先駆者だった。また、写真集『決定的瞬間』(英語版タイトル)で独自の写真美学を確立し、世界中の写真家に多大な影響を与え、写真を芸術の域に高めた。ヨーロッパ、アメリカ、インド、中国、日本など世界中を旅した彼は、その“激動の20世紀”の瞬間を捉え続けた。
●カルティエ=ブレッソンが、その人生と作品を自ら語る唯一のドキュメンタリー。
人前に顔をさらすのを嫌い、自身についてほとんど語ることのなかった偉大なる芸術家が、人生の最期に初めて、その半生と作品について語る。映画は当時93歳のカルティエ=ブレッソン本人と、親交のあった写真家エリオット・アーウィットや昨年惜しくも亡くなった劇作家アーサー・ミラーなどの貴重なインタビューで構成されている。撮影の大半は、チュイルリー公園を望むカルティエ=ブレッソンの自宅で行われた。青春のメキシコ、捕虜収容所の脱走、戦時下のパリ、助監督もつとめた映画監督ジャン・ルノワールと の出会い、 “マグナム”の仲間たちとの思い出、マリリン・モンロー、ココ・シャネル、トルーマン・カポーティ、サルトルとボーヴォワールら20世紀の“顔”を撮影したエピソード・・・。そして、ついにカルティエ=ブレッソン本人の口から“決定的瞬間”の謎が明かされる。
●未来へ。これはカルティエ=ブレッソンが私たちに贈ってくれた“遺言”。
写真集『決定的瞬間』のフランス語版タイトルの意味は「逃げ去るイメージ」。そこには歴史的瞬間だけでなく市井の人々のなにげない日常の瞬間も捉えられている。カメラは、すべての人生の中に“決定的瞬間”を見いだす彼のまなざしそのものだった。彼はその瞬間を生き生きと語り、そして微笑む。そこには人生への愛が満ち溢れている。
カルティエ=ブレッソンの死とともに写真の20世紀は幕をおろした。この映画はまさにカルティエ=ブレッソンの“遺言”ともいうべき “奇跡”のドキュメンタリーである。
監督:ハインツ・バトラー
出演:アンリ・カルティエ=ブレッソン/アーサー・ミラー/エリオット・アーウィット/イザベル・ユペール 他
スイス+フランス/2003年/カラー/72分/ヴィスタサイズ/ステレオ/デジタル
字幕:寺尾次郎
後援:フランス大使館文化部+スイス大使館
協力:マグナム・フォト東京支社+ライカカメラジャパン株式会社+ エールフランス航空
配給:ロングライド