サムサッカー
THUMBSUCKER
フツーに心配な僕のミライ
2006年9月23日-2006年10月27日
17歳になっても、“親指を吸う”僕。これってやっぱりマズイよね?
●他人と違ってもいい。大切なのは、答えのない人生を生きる力なんだ。
赤ちゃんが親指を吸うのは当たり前―でもジャスティン・コッブは17歳、いまだにそのクセが治らない。アメリカ・オレゴン州の、愛情溢れる中流家庭で暮らすジャスティンは、傍から見れば何不自由なく恵まれた普通の高校生。だけど自分は欠点だらけで、家族はもちろん、近所の歯科医や学校の先生、ガールフレンドとさえも上手く付き合えないと思っている。そんな不安から、どうしても“親指を吸うこと(サムサッキング)”がやめられないのだった。周りの大人たちは彼のクセを治そうと干渉する。“皆が認める自分”になるために、正しい道を探そうとするジャスティンだったが・・・?本当は皆、心に不安を抱えて生きている。大人だって自信がない「大切なのは、答えのない人生を生きる力」―そんな優しくて力強い本作のメッセージは、年齢や性別を越えて、前に向かって進む力を与えてくれる。
●世界有数のクリエイター、マイク・ミルズによる長編初監督作品
マイク・ミルズはグラフィックや映像を通して90年代~現在までのユースカルチャーに向けてライフスタイルを掲示してきた。ソフィア・コッポラやジェフ・マクフェトリッジという映像クリエイターらと共に、「ディレクターズ・ビューロー」を創設し、「X-girl」「Supreme」「マーク・ジェイコブズ」「ビースティ・ボーイズ」などのデザインワーク、NIKEやGAPなどのCM界で名を馳せている。そんな彼の周りにはキム・ゴードン、アンディ&ケイト・スペード、ホンマタカシ、マーク・ボズイックといったクリエイターたちが呼応し、それが大きな潮流となってカルチャーシーンを作り上げている。ただ見た目のクールなグラフィックや映像ではなく、長く心に残るイメージや時代感を植えつけるミルズの作品は、本作でも見事に反映され、長編デビュー作とは思えない演出力とその独特の感性で、少年が抱える悩みを普遍的な物語へと昇華させている。
【MUSIC】
マイク・ミルズ自身が大きなインスピレーションを受けた、故エリオット・スミスによるナンバーと、その意志を受け継いだ“ポリフォニック・スプリー”によるサウンドが、映像をやさしく彩っている。
【登場人物】
☆ジャスティン・コッブ(ルー・プッチ)
17歳なのに、親指を吸うクセが治らない。
このままじゃいけないと思っているが・・・。
☆ オードリー・コッブ(ティルダ・スウィントン)
ジャスティンの母。
家庭や子供のことよりも、テレビのメロドラマの人気俳優に夢中に見えるが・・・。
☆ マイク・コッブ(ヴィンセント・ドノフリオ)
ジャスティンの父。
昔はフットボールの選手として有望だったが、ケガのせいで挫折。
☆ ジョエル・コッブ(チェイス・オファーレ)
頼りない兄と父・母の間で板ばさみになり、妙に大人びて、冷めた発言をする。
☆ ギアリー先生(ヴィンス・ヴォーン)
ジャスティンの学校で、討論クラブの先生。
生徒に厳しく接しつつも、慕われたいという思いが強い。
☆ ペリー医師(キアヌ・リーヴス)
ニューエイジ志向の変わった歯科医。
ジャスティンのクセを見抜き、催眠術でそのクセを治そうとするが・・・。
☆ マット・シュラム(ベンジャミン・ブラッド)
TVのメロドラマの人気俳優。オードリーが夢中。
ドラッグで捕まり、入院した病院でオードリーと出会う。
☆ レベッカ(ケリ・ガーナー)
ジャスティンが恋する、同じ討論クラブの生徒。
彼女は、ジャスティンのはっきりしない態度にしびれをきらし、
だんだん離れていくのだが・・・。
監督・脚本:マイク・ミルズ
原作:ウォルター・キルン
挿入歌:エリオット・スミス
出演:ルー・プッチ/ティルダ・スウィントン/ヴィンセント・ドノフリオ/ヴィンセント・ドノフリオ/キアヌ・リーヴス/ベンジャミン・ブラッド/ケリ・ガーナー
2005年/アメリカ/96分/SDDS・SRD
字幕:太田直子
サントラ盤:エイベックス・エンタテインメント
PG-12
ソニー・ピクチャーズ・クラシックス提供
宣伝協力:ファントム・フィルム
配給:ソニー・ピクチャーズ・エンタテイメント