ダーウィンの悪夢
Darwin's Nightmare
一匹の魚から始まる悪夢のグローバリゼーション
2006年12月23日-2007年2月9日
★2006年アカデミー賞 長編ドキュメンタリー賞ノミネート
★2006年セザール賞 最優秀初監督作品賞
★2005年山形国際ドキュメンタリー映画祭 審査員特別賞 コミュニティシネマ賞
★2004年ヴェネツィア国際映画祭 ヨーロッパ・シネマ・レーベル賞
他、全世界で多数受賞! ★文部科学省選定(少年向、成人向、家庭向)
世界中に衝撃を与えた傑作ドキュメンタリー、ついに日本公開!
半世紀ほど前、ささいな試みからアフリカの美しい湖に放たれた一匹の魚。そこから悪夢のグローバリゼーションが始まった。
これは、あなたが生きている世界の物語。
淡水湖では世界第2位の大きさを誇るアフリカのヴィクトリア湖は、生物多様性の宝庫であることから「ダーウィンの箱庭」と呼ばれていた。ところが、そこへ巨大な肉食の外来魚ナイルパーチが放たれたことで状況は一変。ナイルパーチはどんどん増え、湖畔の町には、この魚を加工・輸出する一大産業が誕生し、地域の経済は潤う。しかし、その陰では悪夢のような惨劇が生み出されていった。新しい経済が生み落とす貧困、売春、エイズ、ストリートチルドレン、ドラッグ、湖の環境悪化…。まるでドミノ倒しのように連鎖する。さらには、ナイルパーチを積みにやって来る飛行機が、アフリカの紛争のための武器を運んでいるという驚くべき疑惑までも浮上する。
『ダーウィンの悪夢』は世界中の映画祭で多数のグランプリを獲得、2006年アカデミー賞では長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた。海外メディアも本作をこぞって大絶賛し、そのあまりに衝撃的な内容に、社会論争までもが巻き起こった。情け容赦なく暴かれていく悪夢のグローバリゼーションは決して遠い世界の出来事ではない!
『ダーウィンの悪夢』をめぐる世界の動き
◆フランスでは、観客たちが映画に衝撃を受け、ナイルパーチのボイコット運動が
起こった。しかし、これはボイコットで解決するような単純な問題ではないのだ。
◆ついに大統領までもが論壇に登場! この映画の舞台のタンザニアでは、
「国のイメージを傷つける」とキクウェテ大統領が映画を厳しく非難した。
◆世界中での大絶賛とは裏腹に批判も噴出!映画に登場した人物が嫌がらせを
受けたほか、批判本も映画が公開された国々で出版される予定。
論争はますます白熱する勢いだ。
◆日本でも、琵琶湖の「ブラックバス」をはじめ、外来種は大きな社会問題。
本作は、日本の環境問題関係者にも衝撃を与えている。
<“ダーウィン”って?>
チャールズ・ダーウィンといえば、かの有名な「進化論」。「進化論」といえば、“弱肉強食”、“適者生存”という言葉が思い浮かぶ。果たして、ヴィクトリア湖のナイルパーチは“適者生存”の勝利者なのか? 勝利者はナイルパーチだけなのか? 自然の営みが崩れゆく世の中で、ダーウィンの論理は通用するのか?
映画は、ダーウィンも予想しなかった悪夢を描く。
<日本とナイルパーチ>
ナイルパーチは切り身として主にヨーロッパ・日本へ輸出され、数年前までは“白スズキ”という名前で流通していた。現在も、お弁当、給食、レストランなどの白身魚フライによく使われており、あなたも食べている魚なのだ!!
*****
遠く離れたところの出来事のはずが僕らの生活にも影響している。
知るべき事実、観るべき作品。
藤原ヒロシ(音楽プロデューサー)
見よう、そして考えよう。この映像がボクたちのこれから生きたい世界なのかを。
勝俣 誠(明治学院大学教授、国際平和研究所所長・アフリカ地域研究)
これは悪夢ではなく二十一世紀の現実だ。アフリカをむさぼりつくす
グローバルマネーの恐ろしい実態!SOSの叫びが聞こえる。
加藤登紀子(歌手)
監督+構成+撮影:フーベルト・ザウパー
2004年/フランス=オーストリア=ベルギー/英語・ロシア語・スワヒリ語/
カラー/35mm/ヴィスタ/112分/dolby SRD
字幕:ビターズ・エンド 字幕制作チーム
字幕協力:宇野みどり
提供:ビターズ・エンド+朝日新聞社
宣伝:ムヴィオラ
配給:ビターズ・エンド