エコール
INNOCENCE
大人に孵化する前の、純粋無垢な少女たちの学校へ、ようこそ
2006年11月4日-2006年12月8日
★2004年度サンセバスチャン映画祭新人監督賞
★2004年度ストックホルム国際映画祭最優秀作品賞、最優秀撮影賞
★2005年度ゆうばり国際ファンタスティック映画祭審査員特別賞
そこは完璧なユートピア。少女たちはどこから来て、どこへ行くのか?
深い森の中、高い塀で外界と遮断された秘密の学校(エコール)。男性のいない完璧な少女たちの世界で、6歳から12歳までの少女たちが生活している。学年を区別する7色のリボン。かわいらしい制服は清楚な白。深い緑の森と、青い空を映す湖の前で、妖精のように戯れる少女たち。彼女たちは棺で眠らされたままここに連れてこられ、自然の生態やダンスを学ぶ。春が来て、また一人、6歳の少女イリスがやってきた・・・。最年長のビアンカには、まもなく別れの季節が訪れる。地下通路で外界と結ばれた劇場に外部から紳士淑女を招き、ビアンカたち年長者はダンスの成果を披露しなければならない。ダンスの公演を終えるときが、学校を去るときなのだ。7年間、外界と接することなく過ごしてき彼女たちの心に去来するのは、解放の喜びなのか、それとも新しい世界へのおののきなのか?
少女たちはどこへ行くのだろうか・・・
麻酔にかかったような美しさに、魂がかき乱される。─マーティン・スコセッシ
『エコール』は、公私に渡るパートナーであるギャスパー・ノエの『カルネ』の編集を担当し、現代版「赤ずきんちゃん」とも言うべき中篇監督作『ミミ』で強烈な才能を印象付けたルシール・アザリロヴィックが生み出した耽美的な寓話。19世紀の作家フランク・ヴェデキントの謎めいた小説「ミネハハ」(「笑う水」の意味)を、夢見るようなタッチで映像化し、観る者を陶酔の世界へと引きずり込む。
コケティッシュなビアンカ、彼女を慕う最年少のイリス。ダンスの特待生として学校を出る夢に敗れ、脱走を試みる少女アリス。小船で漕ぎ出し、水死するローラ。美しさの影に潜む不安と胸騒ぎ・・・。個性豊かな少女たちはオーディションで集められ、フランスの演技派女優の二人が自然な演技を引き出している。ダンス教師エヴァ役には、ティム・バートン監督作『ビッグ・フィッシュ』でアメリカ映画デビューも果たしたマリオン・コティヤール。足の悪い生物教師エディット役には、ジャン=ジャック・べネックス監督 『青い夢の女』のエレーヌ・ドゥ・フジュロール。
“脱走を試みたものは罰として一生ここで暮らすことになる”。少女たちの間で囁かれている恐ろしい戒律の犠牲者がこの二人の教師ではないかと気づくとき、美しいユートピアはまた違った意味を帯びてくる。
監督+脚本:ルシール・アザリロヴィック
原作:「ミネハハ」フランク・ヴェデキント著
出演:マリオン・コティヤール/エレーヌ・ドゥ・フジュロール他
ベルギー・フランス・イギリス合作/121分/シネマ・スコープ/Dolby SRD
字幕翻訳:加藤リツ子
PG-12
提供:キネティック+レントラックジャパン
協賛:アニエスベー
配給:キネティック