ビューティフル・ルーザーズ
BEAUTIFUL LOSERS
アートを創る者、見る者
―すべての価値観を変えた。
2008年8月2日-2008年8月22日シネマライズ/レイトショー
2008年8月9日-2008年10月3日ライズエックス
D.I.Y.で世界を変えた“落ちこぼれたち”の軌跡を描く、
ドキュメンタリー。
NY、イーストヴィレッジの元マーケットの看板にただ書き足された「ALLEGED」の文字。手作りでオープンしたギャラリーにいつしかキッズたちのエネルギーが集結し、カルチャー・ムーブメントを巻き起こす。
1990年代、アメリカ。スケートボード、サーフィン、パンク、ヒップホップ、グラフィティの真っ只中で“遊んでいた”若者たち。
世の中から“落ちこぼれ(ルーザーズ)”と烙印を押された彼らこそが、マーク・ゴンザレス、マイク・ミルズ、バリー・マッギー、ハーモニー・コリン、シェパード・フェイリーたちである。
社会からはみ出した彼らが生み出す「アート」をいち早く見出したのが本作の監督であり、NYで“ALLEGED GALLERY(アレッジド・ギャラリー)”を設立したアーロン・ローズ。そこでは、D.I.Y.(=Do It Yourself:自分で作る、手作り)の精神が自然と生まれていった。自分たちで創り、自分たちで展示し、自分たちでネットワークを作る・・・ビート・ジェネレーション以降、彼らほどオリジナリティのあるクリエイティヴ集団は他に類を見ない。
こうしてたった数年間で、アレッジドから生まれたアートは世界的に脚光を浴びるようになり、各国で展覧会が開かれた。そこに展示される作品、創る者、集まる多くのファン―そのどれもが世界共通だったアートの概念をひっくり返してしまった。アートは金持ちのためでもなく、高尚なものでもなく、ストリートで遊んでいたキッズ達のものになったのだ。
本作は、その鮮烈なムーブメントの軌跡を描き、彼ら自身と、生み出す作品の魅力に迫るドキュメンタリー。
孤高のアーティストではなく、ちっぽけな“落ちこぼれたち” はいろんなものを創るのが好きで、それをみんなと分かち合おうとしている。そんな思いが作品に溢れ、若者たちの心を捉えて離さない。
★「ビューティフル・ルーザーズ」展
2004年から行われた、アーロン・ローズとクリスチャン・ストライクによる巡回ショー。アメリカ中で開催され(シンシナチ、サンフランシスコ、バルチモア)、2006年にはイタリア・ミラノでも開催された。
*****
自分の力を信じてる。自分を表現できるのは他に誰もいないから。
子供の頃は誰だって絵を描いたり物を創ったりする。
でも大人になるとその楽しさを忘れてしまうんだ。幸い僕は今も続けてる。
公衆電話BOXで落書きする時も、ギャラリーで書いてる時も、僕には同じ。
どっちも影響しあってる。
“アレッジド・ギャラリー”は、
まるでイギー・ポップやルー・リードやウォーホルがいるような世界だった。
みんなが一緒に何かを創っていて、不思議なつながりが生まれていた。
たぶん、人生においてとても有意義な日々だった。
プレイし続けるか降りるか。
街中に自分の作品が張られるプレッシャーは想像を絶する。
アーティストは自分のために創るけれど、
それを見る人が何かを感じて喜んでくれるから、続けられるの。
役に立たない、価値を失ったものに惹かれるんだ。
“プロのアーティスト”と言うけど、ヘンな言葉だ。アートのプロなんて。
監督:アーロン・ローズ
共同監督:ヨシア・レナード
音楽:マニー・マーク
出演アーティスト:トーマス・キャンベル/ジョー・ジャクソン/クリス・ジョハンソン/マーガレット・キルガレン/ハーモニー・コリン/ジェフ・マクフェトリッジ/バリー・マッギー/マイク・ミルズ/エド・テンプルトン/スティーヴン・パワーズ/シェパード・フェイレイ 他
2007年/アメリカ/91分/カラー/ビスタサイズ/ドルビーSR・SRD)
提供:ファントム・フィルム+アスミック・エース エンタテインメント
宣伝:ファントム・フィルム
配給:ファントム・フィルム