ソウル・キッチン
Soul Kitchen
心も満たすレストラン
★2009年ヴェネチア国際映画祭 審査員特別賞・ヤングシネマ賞
ハンブルクのレストラン“ソウル・キッチン”
みんなで囲む食卓とゴキゲンな音楽。
何があってもココは故郷。
喜劇は軽く見られがちだけど、もっと正しく評価されるべきだ。
とても素晴らしいこの映画に嫉妬せずにはいられない! ―アン・リー(映画監督)
★世界三大映画祭を制覇した若き巨匠ファティ・アキン
最新作は、多彩な料理とゴキゲンな音楽に溢れたネオ・ハイマートフィルム!
『愛より強く』でベルリン国際映画祭グランプリ、『そして、私たちは愛に帰る』でカンヌ国際映画祭脚本賞、そして本作で2009年ヴェネチア国際映画祭審査員特別賞・ヤングシネマ賞をW受賞し、世界三大映画祭を36歳にして制覇したファティ・アキン監督。ヴェネチア国際映画祭の審査委員長だったアン・リーは「この映画に嫉妬せずにはいられない!」と最大の賛辞を送った。ゴダール、トリュフォーらも成し遂げていない三大映画祭のコンペティション部門すべてで受賞という偉業を成し遂げたのはファティ・アキンが最年少と言われている。
本国ドイツでは公開2カ月で130万人を動員し大ヒットを記録した本作は、多民族が多く暮らすハンブルクのレストラン“ソウル・キッチン”が舞台。店にはいつもごちゃ混ぜな音楽が響き、それぞれのソウルフードを味わう人々が集う。ドイツ語で“郷土映画”をさすハイマートフィルム。ネオ・ハイマートフィルムとも呼べるのが本作『ソウル・キッチン』だ。
★しあわせはすべて、このレストランにある。
ジノスはレストラン“ソウル・キッチン”の若きオーナーシェフ。恋人が夢を追って上海に行ってしまったり、滞納していた税金の支払いを迫られたり、衛生局に新設備の導入を命じられたり、その上ヘルニアになったりと、このところツイてない。
ある日、ジノスが酒好きな天才シェフを新しく雇うと、彼が作る渾身の料理が評判を呼び店は大盛況! そこへ、刑務所から仮出所してきた兄のイリアスがウェイトレス・ルチアに惚れて、彼女のためにと盗んだDJセットでゴキゲンな音楽も加わって、連日大繁盛! すべては上手く回り始めた、ハズだった。
しかし、“ソウル・キッチン”の土地を狙う不動産屋が現れ、店は乗っ取りの危機に陥る。この店はオレたちの心(ソウル)。なくすわけにはいかない!
★五感を満たす映画『ソウル・キッチン』
本作は主演・脚本のアダム・ボウスドウコスが経営し、監督もよく通っていたレストランをモデルに、彼らの時間を詰め込んだ作品だ。ジノスの兄イリアスを演じるのはドイツ映画に不可欠な俳優、モーリッツ・ブライプトロイ。どうしようもないけれど愛おしい兄を好演している。天才シェフ・シェインを演じるのはアキン監督作品常連のビロル・ユーネル。ミシュランで星を獲得したハンブルクの高級料理店Le Canardで指導された料理の腕前を披露する。怪優ウド・キアが出演しているのも映画好きにはたまらないサプライズ。また、ルイ・アームストロングやクインシー・ジョーンズ、カーティス・メイフィールドから近年のドイツ・ダブなど様々な音楽も本作の聞きどころ。そして、フライドポテトから高級フレンチまでやはり多種多様な料理が登場し胃袋を刺激する。目で観て、音楽を聴いて、食事を想像して喉を鳴らす――『ソウル・キッチン』は五感を満たす映画なのだ。
<Humburg GUIDE>
●ベルリンに次ぐ大都市ハンブルク。世界最大と言われる赤レンガの倉庫街や、運河沿いの高級レストラン、クラブやバーなど本作でも多くの観光地が登場する。
●ドイツは全人口の約9%弱が外国人。これはアメリカ、ロシアに次ぐ数字。戦後、外国から労働者の流入を促進し、その後、2世3世が生まれることで益々増加した。特にハンブルクは外国人が多い州。トルコ・ギリシャ系の人をはじめ「ドイツ人っぽくない」人とすれ違うのは日常的。
監督+脚本+プロデューサー:ファティ・アキン
脚本:アダム・ボウスドウコス
プロデューサー+音楽スーパーバイザー:クラウス・メック
撮影:ライナー・クラウスマン
編集:アンドリュー・バード
出演:アダム・ボウスドウコス/モーリッツ・ブライプトロイ/ビロル・ユーネル/ドルカ・グリルシュ
/モニカ・ブライプトロイ/ウド・キア
2009/ドイツ・フランス・イタリア/35mm/1:1.85/99分/ドルビーSRD
後援:ドイツ連邦共和国大使館
支援:German Films
協力:ドイツエクスプレス(株)ユーレックス
配給:ビターズ・エンド