ブンミおじさんの森
UNCLE BOONMEE WHO CAN RECALL HIS PAST LIVES
森や丘や谷を前にすると 動物や 他のものだった 私の前世が現れる
2011年3月5日-2011年4月28日
★2010年カンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)受賞
僕たちはいつも映画にサプライズを求めている。
この映画は多くの人々に、まさにそのサプライズをもたらした。
─ティム・バートン(2010年カンヌ国際映画祭審査委員長)
いくつもの時を生き 穏やかに 目を閉じる。いつかどこかで また会える。
美しく斬新なイマジネーション、思わず笑みがこぼれるようなユーモア。
何より生と死に対する優しく深い洞察が、世界に驚きを与えた傑作!
第63回カンヌ国際映画祭の最高賞(パルムドール)を競うコンペティション部門には、マイク・リー、ケン・ローチ、北野武、アッバス・キアロスタミといった世界の巨匠たちの名が並んだ。審査委員長は『アリス・イン・ワンダーランド』の大ヒットも記憶に新しい鬼才ティム・バートン。果たして、いつもユニークなヴィジョンで映画世界を広げてきたティム・バートンは何を選ぶのだろう。
そしてパルムドールの栄誉に輝いたのは、アピチャッポン・ウィーラセタクン監督の『ブンミおじさんの森』だった。ティム・バートンは受賞の理由をこう語る。「世界はより小さく、より西洋的に、ハリウッド的になっている。でもこの映画には、私が見たこともないファンタジーがあった。それは美しく、まるで不思議な夢を見ているようだった。僕たちはいつも映画にサプライズを求めている。この映画は、まさにそのサプライズをもたらした」。
ブンミおじさんと一緒に森を歩こう。心が不思議に優しく懐かしい感情で満たされるから。
腎臓の病に冒され、死を間近にしたブンミは、妻の妹ジェンをタイ東北部の自分の農園に呼び寄せる。そこに19年前に亡くなった妻が現れ、数年前に行方不明になった息子も姿を変えて現れる。やがてブンミは愛するものたちとともに森に入っていく・・・。
ブンミおじさんと一緒に森を歩き、洞窟の中に入っていく私たちの耳に聞こえてくる静かな声。心は不思議に懐かしい感情で満たされていく。私たちのからだの中にある東洋の遺伝子が、ブンミを通して魂が繰り返し生きて行くことを思い出させてくれるのかもしれない。森には、近代が失ってしまった闇があり、見えざるものがあり、穏やかな死がある。だからこそ『ブンミおじさんの森』では光は美しく、世界は驚きに満ち、生は目映い。これは、かつてそうであったものを未来に伝える幸福な映画なのである。
製作+脚本+監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン
製作:サイモン・フィールド/キース・グリフィス/シャルル・ド・モー/アピチャッポン・ウィーラセタクン
出演:タナパット・サーイセイマー/ジェンチラー・ポンパス/サックダー・ケァウブアディー
ナッタカーン・アパイウォン
2010年/イギリス、タイ、ドイツ、フランス、スペイン合作映画/114分/35ミリ/1:1.85/カラー/Dolby SRD
字幕:齋藤敦子
協力:SCAI THE BATHHOUSE/トモ・スズキ・ジャパン
提供:シネマライズ
配給:ムヴィオラ