地球交響曲 第八番
GAIA SYMPHONY No.8
宇宙の声が聴えますか
Can you sense the calling from the UNIVERSE?
2015年3月21日-2015年4月9日
畏れと美と智恵と勇気と
Fear, Beauty, Wisdom and Bravery
この地球に初めて生命が誕生して38億年、生命は何度も絶滅の危機に瀕しながら、
その都度奇跡のように甦り、新たなる進化を遂げ、私達人類は今、ここにいます。
宇宙は、自らが生んだ生命を“可能な限り永く生かせ続けたい”
という意志を持っている様にさえ思えます。この“宇宙の意志(Universal mind)”を
地球上で体現しているのが「樹」です。
樹は何億年にも渡って地球の大気中の酸素濃度を21%に保ち続け、絶滅と進化を
繰り返してきた多様な生命を生かし続けてくれたのです。
世界中の文化に、樹齢数百年の老大樹には精霊がいるという言い伝えがあります。
樹の精霊は、“宇宙の意志”の顕われなのかも知れません。
東日本大震災から約4年。真の復活を遂げる為に、私達日本人は今、何に気づき、
何をなさなければならないのか!
「樹の精霊の声、すなわち宇宙の声を聴く力を甦えらせなければならない」と
気づいた日本人達がいます。
『地球交響曲 第八番』では、この人々の想いと活動を世界に向けて発信します。
地球の未来の全ての生命が健やかに、末永く生き続けることを願って
龍村 仁
*****
樹の精霊に出会う
梅若玄祥(能楽師・人間国宝)
見市泰男(能面打ち)
柿坂神酒之祐(天河大辨財天社宮司)
奈良県吉野にある天河大辧財天社の宝物庫には、600年間眠り続けてきた能面「阿古父尉」(あこぶじょう)が
納められている。それは、天才的能役者・観世流三代目元雅が都を追われ、万感の想いを込めて天河神社の
能舞台で舞い、自らの手で奉納したもの。元雅はその後、暗殺されたと伝えられている。
この「阿古父尉」に訪れた、復活の時。能面は、単なる演劇の仮面ではない。能面を削り出す老大樹には、
未だ姿形を持たない無数の能面=樹の精霊が潜む。その能面のひとつを、匠が磨き抜かれた手技と祈りによって、
目に見える世界へと導き出す。その能面をつけた演者が舞台に立つ時、演者に乗り移った“宇宙の意志”は、
時空を越えた幽玄の世界へ人々を誘ってゆく。
-----
樹の精霊の歌を聴く
中澤宗幸(ヴァイオリン製作者)
中澤きみ子(ヴァイオリニスト)
17世紀に活躍した天才的なヴァイオリン製作者、アントニオ・ストラディヴァリが作った名器「ストラディヴァリウス」は、
現在も弾き続けられている。
なぜ現役の名器として生き続けているのか。その謎に答えることのできるひとりのヴァイオリン製作者が
21世紀の日本にいる。世界の名演奏家達が愛器の修復や調整を依頼するヴァイオリン製作者、中澤宗幸だ。
「ストラドは単なる楽器(モノ)ではない、魂を宿した有機体・すなわち生き物。魂=樹の精霊は、歴代の名演奏家達が
奏でた音魂を記憶し続けています」。
東日本大震災後、中澤は、津波で流された楓と松を用いて「津波ヴァイオリン」を製作。彼が手がけるヴァイオリンたちから
“樹の精霊の歌”に耳を傾ける。
-----
心に樹を植える
畠山重篤(カキ養殖業・NPO法人「森は海の恋人」理事長)
畠山 信(三男・NPO法人「森は海の恋人」副理事長)
高度成長期、気仙沼の青い海が赤く濁り始めた原因が海から遠く離れた室根(むろね)山の森の荒廃にあると
いち早く気付いた畠山重篤。彼が始めた植林運動により、気仙沼の海は青さを取り戻していた。しかし、
東日本大震災の大津波が気仙沼を襲い、カキは全滅。海から全ての生きものが姿を消した。
海の汚れの原因が森の荒廃にあると気づいた背景には、室根山にある室根神社の存在があった。室根神社では、
4年に一度大祭が行われる。気仙沼の海の民が夜明け前の海で海水を汲み、室根神社へ運び、その御神水で
御神体を浄め、そこから祭りが始まる。震災後初めて行われた平成25年の大祭で、畠山はその大役を担う。
彼の“魂”の復活と“海”の復活を描く。
監督+脚本:龍村 仁
撮影:赤平 勉
制作プロデューサー:恩田映三
企画製作・配給:龍村仁事務所
配給協力:太秦
出演:梅若玄祥[能楽師]/見市泰男[能面打ち]/中澤宗幸[ヴァイオリン製作者]/中澤きみ子[ヴァイオリニスト]
/畠山重篤[カキ養殖業・NPO法人「森は海の恋人」理事長]/柿坂神酒之祐[天河神社]
ナレーション :榎木孝明/木内みどり
2015年/日本映画/カラー/115分/ヴィスタ
特別協賛:株式会社キーペックス/社団法人三世代生活文化研究所/株式会社シーボン/株式会社四季工房/日能研
/日本アムウェイ合同会社/明治神宮/矢崎総業株式会社
©Jin Tatsumura Office Inc.