バスキアのすべて
JEAN-MICHEL BASQUIAT:THE RADIANT CHILD
僕はきっと 有名になる
2010年12月18日-2011年1月21日
★2010年サンダンス映画祭 ドキュメンタリー部門正式出品
マドンナが愛し、ウォーホルが嫉妬した。
落書きからアート界のアイドルへ―
1250点を超えるドローイングと900点を超える絵を残し、
27歳の若さでこの世を去ったジャン=ミシェル・バスキア。
今でも人々に多大な影響を与え続ける、
20世紀で最も重要なアーティストの一人。
初めて明かされる、本当の素顔とは・・・
バスキアのすべてがここにある。
80年代のアート界に新風を吹き込んだアーティスト、ジャン=ミシェル・バスキア
本人の貴重なインタビュー映像をもとに綴られる初のバスキア・ドキュメンタリー
冒頭でインタビューを受けているのは、25歳当時のバスキア本人である。すでにアーティストとしての才能を認められ、スターの座にのぼりつめていた。とてもリラックスした雰囲気で話し、その充実した表情と、時折見せる笑顔が愛らしいバスキア。しかし、彼はわずか2年後に、この世から去ることになる─。
本作は、バスキアの友人であったタムラ・デイビス監督が、20年以上も引き出しにしまい込んでいた、バスキア本人へのインタビュー映像を軸に、バスキアと深く関わりのあった人物たちに話を聞きながら、80年代に一躍時代の寵児となったバスキアの素顔に迫るドキュメンタリー映画だ。
70年代のニューヨークで、友人とともにはじめた地下鉄や建物へのスプレーペインティングから、そのキャリアをスタートさせたバスキアが、どのようにスターダムへとのぼりつめ、終わりを迎えたのか。80年代のアート・シーンと共に、友人やギャラリーのオーナーに早くから才能を認められ、華やかな世界でもてはやされていた、輝かしいアーティストとしてバスキア。その一方で、つねに人種差別と向き合い、苦しんでいた“1人の人間”としてのバスキア。
時代を越えて愛されるアーティスト・バスキアが、心を許した友だけに語る真実の言葉とは─。
バスキアのすべてがここにある。
【ジャン=ミシェル・バスキア】
1960年12月22日、ニューヨーク州ブルックリンの中流家庭に生まれた。公認会計士の父はハイチ出身、母はプエルトリコ出身。母は幼い息子をニューヨークの美術館によく連れて行った。7歳のとき、車にはねられ入院、脾臓を摘出。入院中に母が贈った『グレイの解剖書』の図版はその後の作品の重要なモチーフとなる。その年両親が離婚、バスキアは二人の妹とともに父親に引き取られる。17才の時に友人とインチキ宗教を生業とする、架空のキャラクター<SAMO>を創り出し、ダウンタウンで署名入りの詩的な落書きをして知られるようになる。その後、ハイスクールを中退、家を出てその日暮らし、手作りの絵葉書や、Tシャツを売ってお金を稼ぐ。やがて、マッド・クラブやクラブ57の常連となり、バンド<グレイ>の活動を経て、大規模なグループ展「タイムズ・スクエア・ショウ」に参加。美術界に足を踏み入れたバスキアは、画商、ギャラリスト、評論家そしてアンディ・ウォーホルらに認められ、絶大な人気と不滅の栄誉を確実なものとする。ウォーホルの死後、ドラッグの量が増え、奇行や妄想壁が目立つように。88年8月12日、薬物の過剰摂取により死亡、享年27歳。
【インタビューを受けた人々】
ファブ・5・フレディ
アメリカのヒップホップ界の先駆者的存在。画家、歴史家、元グラフィティ・アーティスト
ジュリアン・シュナーベル
アーティスト、映画監督。映画『バスキア』(1996)を監督
ディエゴ・コルテス
キュレーター、アート・ディーラー。バスキアの初期の親友
トニー・シャフラジ
ニューヨークのアート・ディーラー。キャラリーオーナー
ブルーノ・ビショッフベルガー
スイスのアート・ディーラー。ウォーホル、バスキアの販売代理権所有者でもある
【その他の出演者】
ジェフリー・ダイチ(アート・ディーラー、ロサンゼルス現代美術館館長。バスキアの初期におけるディーラー)
グレン・オブライアン(作家、編集者。映画『ダウンタウン81』脚本家。伝説のテレビ番組「TVパーティー」司会)
サーストン・ムーア(NY出身バンド「ソニック・ユース」ギター&ボーカリスト)
マリポール(映画監督、フォトグラファー、ファッションデザイナー。映画『ダウンタウン81』プロデューサー)
カイ・エリック(テレビ番組「TV パーティー」のプロデューサー)
ニコラス・タイラー(フォトグラファー。バスキアとともにバンド「グレイ」で活動していた)
マイケル・ホールマン(NYに拠点を置くシナリオ作家、アート・ディーラー)
アニナ・ノセイ(アニナ・ノセイ・ギャラリーのオーナー。ギャラリーの地下をバスキアにスタジオとして貸していた)
スザンヌ・マロック(バスキアの元恋人で、現在はNY在住の精神科医)
レン・リチャード(アメリカの詩人。美術雑誌「アート・フォーラム」で初めてバスキアの作品評を書いた)
ケニー・シャーフ(バスキア、キース・へリングと並ぶ、80年代のNYを代表するストリート派の画家)
ネルソン・ジョージ(音楽評論家)
エリカ・ベル(ダンサー、バスキアの友人)
監督&製作:タムラ・デイビス
製作総指揮:マーヤ・ホフマン
撮影:タムラ・デイビス/デビット・コー/ハリー・ゲラー
出演:ジャン=ミシェル・バスキア/ジュリアン・シュナーベル/ラリー・ガゴシアン/ブルーノ・ビショップベルガー/トニー・シャフラジ/ファブ・5・フレディ/ジェフリー・ダイチ/グレン・オブライアン/マリ・ポール/カイ・エリック/ニコラス・タイラー/マイケル・ホールマン/ディエゴ・コルテス/アニナ・ノセイ/スーザン・マロック/レン・リチャード/ケニー・シャーフ/サーストン・ムーア/ネルソン・ジョージ/エリカ・ベルetc
2010年/アメリカ/93分/デジタル/白黒&カラー/英語
字幕翻訳:石田泰子 監修:広本伸幸
特別協力:ÉDIFICE/XLARGE/X-girl/Styles/URBAN RESARCH
配給:CJ Entertainment Japan